07

January February March April May June July August September October November December
2006(Tue) 11/07

海外記1-4 ハリー・ポッターと…魚介類(38)

海外滞在記 … Comments(38)



 3日目。前日の疲れもあったのか9時間以上寝てしまいました。

 起きたのは朝の7時。集合時間は8時半なのでまだ時間はある。


 腹も減ったし、1階に飯食いに行こうかな…。 ん?そういえば昨日仕事しながらそのまま寝たから風呂も入ってないな…。


 というわけで早速風呂へ。 
 

 しかし裸になってバスに入ったはいいものの、シャワーが動かない。あれ?と思ってシャワーを見てみると…

 なんと…




 シャワーが固定式!!


 なんと微動だにしない。首すら振らない。



 無茶苦茶だ。どんなに力をかけてもシャワーの蛇口が固定されてて動かない。しかも水もちょろちょろしかでないのでかなり体や髪を洗いにくい。

 くそう… なんなんだこれは…。

 
 さらに湯の温度調節がうまくいかず、いきなり熱湯が出たり、いきなり冷水が出たり…

 髪を洗ってるときに

 温水からいきなり冷水に変わって

 「ぐお!?」

 ってなったり、いきなり熱湯が出て

 「ぬぉっ!?」

 てなったり…

 それがかなりあったので、恐くて全然洗えない。

 途中からは慣れてきて

 「そろそろ来るな…」

 と勘づいて急な温度変化を回避できたりもしたんですが、そんなの習得したところでなんの役にもたたないという。

 なんか…

 朝起きて30分も経ってないのに疲れましたよ…。


 そして

 風呂を出た後、髪をセットしてスーツに着替えたところで腹が減っていることに気づき朝食を食べにホテルのレストランへと向かう。

 確か朝食は7時半からやっていたはず。

  
 そして恐らく…社長と常務も来ているはず。

 しかしレストランにて常務と社長の姿を探しましたがいない…。

 おかしいな。あの2人は高齢だから朝とか早く起きすぎて困ってるはず。となるとレストランが開いた瞬間にいきなり朝食を食いに来るのが普通なんだけど。
   
 なぜだ? もしかしたら長時間のフライトで疲れてるのかな。

 …


 と思っていたんですが、なぜ社長と常務がレストランにいなかったのかがわかりました。

 そう。もう既に彼らは来ていたのだ。レストランに。

 そして帰ったんだろう。わずか数分で…


 恐らく水すら飲んでいない。椅子にすら座っていない。
 

 私にはそれが確信に近い形でわかった。


 そりゃそうです。これを見れば誰でもすぐわかる。


 …

 朝食と書いたプラカードが置かれたショーケースに入れられていた朝食。
 
 


 それは…


















 


DSCF01391104.jpg


 
 これだったのです


 なんなんだこれは…。私は不思議の国のアリスじゃないぞ。


 無理だ。無理無理こんなの。どう考えても無理。朝からこんなもの食える奴は日本にいねえ。

 見ろ。このとんでもない大きさのプリン。いや豆腐かもしれん。そしてたっぷりとかけられた濃密な汁。

 これを取れるか?朝起きたすぐにこれを食べようという気になるか?

 
 いや…なるわけがない。 
 
 スルーするに決まってる。 

 
 これはスルーするに値するだろう。私の後ろや前の外人は皆これをお盆に入れてるが、私は入れない。入れるわけがない。
 
 しかし…

 
ウェイター「Please (・v・´)」   どうぞ




 といってかわいらしい女性ウェイターが私のお盆にそれを乗せてきた。

 なんと… あり得ないことに…

 これは強制で食わなければならないのだ!!

 いやそうじゃないかもしれないけど、相手が英語だから何言っていいかわからんし意味がわからない。多分強制と思った。
 
  
 最悪だ。強制とかどうなってるんだ…。

 
 そうか…。社長や常務はこれを知ってるから朝食会場に姿を見せないのか。


社長「財前君。こっちの朝食はうまいから食った方がいいぞ」


 とか昨日言ってたのに…。



 あの野郎ハメやがった(笑)。



 あ~ くそ~!! しかも列に並んでる内にみるみるお盆が一杯になってしまい、肉とかソーセージとかベーコンとかそんなんが乗りまくり。

 いや私が入れたんじゃなくてウェイターが勝手に…


 もちろん…味は言うまでもなく…  

 
 食べられたのは「ゆで卵」と「フルーツ」のみでした。


 
 …





 8時30分


 DSCF00221123455.jpg





 これからいよいよ本番。ビジネスが始まる。

 訪問先の会社からお迎えが来る。迎えてくれたのが副社長だっただけにこちらは恐縮しきりでしたが、気さくな方ですぐにうち解けることができました。

 しかしこっちの人は凄い。

 大事な会議というか商談中なのに、足は膝で組むし、モデルみたいな格好を取っていろいろ説明するからもの凄く格好いい。

 日本でこんなポーズしながら会議すると無茶苦茶怒られるだろうけど、こっちではこれが普通なんでしょうねえ。

 とにかく格好いいポーズしか取りませんね。

 真面目に正座したり、綺麗に座って聞いてるこっちが恥ずかしいくらいでした。

 そして商談は無事終了。

 要は社長の即決。そして日本に帰ってからの私の仕事がかなり増えた。簡単に言うとそんな感じ…。まあいいんですが。


 どうも、うちの社長は英語が話せるし、聞き取れるので話が早かったみたい。向こうはそうは思ってなかったみたいで通訳を踏まえた説明時間を考慮して時間を多めに取ってあったみたいですが、通訳なしでほぼ社長が内容を理解できていたので、通常の2倍くらい早く終わった。(私は通訳さんに間、間で内容を聞いていただけ…)
 
 
 こうなると困るのがその後…なわけで。


 商談が終わるというか、トップ同士で方針が決まってしまったので、後はごちゃごちゃ話をする意味がないわけです。やると方針が決まればやるんです(笑)。まあそれを見極めるために来たわけですけどね。

 決断は社長ですが、実際の仕事をするのは社長や常務ではなく…私なわけで…

 そしてまあそれは帰国してからする仕事なわけで…。

 もうイギリスではすることがなくなった。
  
 日本ならこのまま事務所に帰って仕事に取りかかれますが、ここは外国。そんなものはない。 

 となると、当然…


副社長ピーター

「商談は終わってしまいましたが…まだホテルに帰るのは早い…。どうです?イギリスで一番大きい農業大学を見学してみませんか?こちらの大学は国の方針で大学を運営したり、講義の種類を変えたりするので大学と政治が直結してます。あなた方は畜産系の会社ですし、その農業大学を見れば未来の事やイギリスの今後の農業に対する方針がわかるはず。普通なら行けませんが、そこの学長が私の友人でしてね。よろしければ案内しますよ」



 …


 とりあえず行くことに決定。



 






 いやあ凄い建物…。



DSCF00111104.jpg


 Royal Agricultural College
 



 大学というか…歴史を感じますね。

 
 そして驚いたのがその勉強内容。誰でも基本的には大学に入れますが、卒業するのは難しい…


 いやね。とにかく勉強内容が凄いんです。

 私もここに行けば良かったよ。こういう授業が受けたかった。


 さすが日本とは違います。日本は食糧自給率が低くてもどこ吹く風でなんの話題にも上りませんが、ヨーロッパの諸国はしっかりとビジョンがあって考えられてて…昔からおかしいと思ってたんですよ。
 
 なるほど。専門大学や農業大学が国や政治直轄なのか…。それで臨機応変に対応してるわけだ。そりゃ差も出てくる。

 私は東京農業大学出身ですが、農業のイロハを教える大学としては正直物足りなさを感じた。日本を代表する農業大学ですけどね。それでもやはり実践力はつきようがない。 


 私からすると、

 狭い日本で農業を発展させるためにはどういうことをすればいいのか?例えば少ない面積で収穫量を上げる方法とかこの野菜やこの果物を作れば日本がいざというときに助かるとか。


 そういうタイムリーな事項を勉強したかったんだけど、残念ながらそういう魅力的な講義は少なく、植物や果物の生態系や生理を学術的に学ぶだけで即戦力になりそうな事はほとんど教わらなかった。歴史とかそういうのが主。リアルタイムの話題がない。

 歴史や農業のイロハなんてのは自分で勉強できるから大学でわざわざ教えて貰う必要なんてないんだけどね。


 どこの大学でもそうなんだろうけど、もう時代が違うからねえ。

 大学に行けば就職できた時代とは違って、今や誰でも大学に行ける時代。内容の充実は不可欠でしょう。
 
 イギリスのこの大学はこれとはまったく逆。
 
 即戦力の勉強をするみたいです。植物や農作物についての学術的な事はほとんど教えないようです。これは授業では多少触る程度。こういうのは学生がすべて自分で勉強する。ゆえにテストには出るみたいです。

 つまり大学生なんだから基本的な事は自分で学べと。

 そして授業で教えるのは、今農業系の企業がどう進んでいるのか?未来の農業に対しどういうビジョンを持てばいいのか? 自分で農業を始めるにはどうすれば有効なのか?


 こういう事をタイムリーな感じで習う。つまり今年、来年ではもちろん教わる内容も違ってくる。そしてイギリス政府の方針が変われば大学はそれを指示されて、教える事項もそれに合わせる。

 教える講義は国の事情や国の方向性に合わせる。だから一貫した教育ができる。イギリスの未来をつくる学生を排出できる。

 
 そう大学の教授が言っていました。素晴らしい。この大学は素晴らしい。

 で聞いてみたんです。

財前「日本の学生はこの大学にいますか?」


 …と

 すると帰ってきた答えがこれ


学長「日本の学生は今一人だけいます。かなり少ないですね。しかしアジアで見ると中国や韓国、タイから来てる学生は非常に多い。アジア諸国の今後の農業に対する感心の深さが表れています。」


 日本の学生が1人いたのには喜びましたが、やはり中国やそこいらからの留学生が多いらしい。タイや韓国も…

 こういうところからして日本が将来農業の分野において人材がいないのはもう確実。今後高齢化が進めば食料完全輸入なんて事にもなりかねないと思う。都会に住んでる人なんかはやばいかもねえ。


 まあそうなればそうなったで、農業企業としては利益が出まくるから美味しいかもしれないんですが(笑)。


 その後真面目な話を聞いてるうちに、世界の農業に関する考え方という物がわかってくる。違う。やはり違う。

 農業というものをすごく大切に思ってる。無農薬や有機農業に対する安全面に関しても日本の10年は先を行ってる。

 学長は

 「なあに日本は車があるから。TOYOTAがある限り大丈夫ですよ。その金で食料を輸入すればいい」

 なんて言ってましたが、もう車の国としてのイメージしかないんでしょうねえ日本なんて。農業だとライバルにすら思われない。

 そして日本が食糧難になったら、食料を売って大もうけしようと外国諸国は狙ってるんでしょう。

 もちろん工業なんかでは日本が勝ってる部分も多々あるんでしょうけど

 要はTOYOTA様々なのか…


 私たちが行っている農業と鶏の事業もそうです。

 鶏ってね。あれ日本で飼育するし、日本で肉にするんです。だから自給率は凄い高い。

 でもね。原種というか元の鶏は全部外国製なんですよ。


 もう99%外国。


 親鶏を日本に買ってきてね。それを日本で卵を産ませ、その卵からヒヨコを孵化させたものが鶏になって肉になる。
 
 なぜなら、性能がすごいから。外国の鶏は肉の付き方が全然違うし、死なない。

 だから外国の親鶏を作ってる会社があってこそ日本で鶏肉が食べられる。もし日本の親鶏を使って全国で鶏肉やろうと思ったら値段は2倍以上になると思う。


 つまり… 外国の方でこれから鶏の親鶏の値段高く調整されたら、鶏の肉の生産量がもの凄く減る。飼育は日本でできる。でも国産の親鶏では今まで通りの量の肉ができない。

 となると値段は高騰するので… となると輸入規制が解けて中国の肉がたくさん入ってきて…
 
 日本の鶏事業壊滅 なんてことになる。


 まあそういうわけで鶏の肉の自給率は日本はかなり高い方ですけど、一般の人がわかりようがない裏の事情もあるのです。

 自給率というのは実は飼育率であって、本当の自給率は1%ない。 


 だから絶対に胸を張れない。


 そういうのを知ってるだけに私たちはこの大学に行ってショックを受けたわけですね。国もこうやって大学に現状の政治を反映させてくれたら… 大学で勉強する人は今のこの危険な状況をわかってくれるはずなんだけどなあ。

 まあ…昔の学術しか教えないもんだからしょうがないか。

 
 

 さて…



 そういう難しい話をした後に学長が大学内を案内してくれました。

  
 




 …う~ん。こっちの建物って作りがすごいですよねえ。




DSCF00091114.jpg



 全面石なんですよ。だから築何百年とか可能なんでしょうか?

 というか窓から鶏の死骸を吊り下げてる辺りがさすが農業大学(笑)。これから焼いて食べるんでしょうか??



 そして宿舎に入ると学生の面々が…



DSCF00321111.jpg



 というかね。ホントにまあ日本とは違うところがたくさんあってもうワケがわかりません。

 さっきは学生は真面目に勉強してるし、凄いことを教えてるっていう話をされたので感動してたんですけどね。

 この部屋を見ると…

 裏になんかダーツの機会が見えるし、ゲームセンターにおいてあるゲームやそんなの置きまくってるんですよ…

 こいつらホントに勉強してるのか?(笑)。

 いやそれにインターネットも発達しててね。図書館なんて凄いんです。あんまり本がない。狭いんですよ。

DSCF00411105.jpg


 あんまり本がないので


財前「いや…こんなに本が少ないと勉強して調べ物ができないのでは??日本の大学はもっと本が多いですよ」


 て聞いたんですが


学長「HAHAHA。図書館一杯に本がびっしりなんて古い時代だよ。今はこれさ」


DSCF00401112.jpg


学長「語句の意味がわからないなら電子辞書で調べればいい。この時点で辞書は図書館に何種類もいらない。学術論文もすべて今やデータだ。昔の古い本もデータ化されている。つまりここにあるのは最近の本だけなんだよ」

財前「工エエェェ(´゚д゚`)ェェエエ工 すげぇぇぇぇ 進んでるなあ」



 てね… 聞いてたんですけどね。

 いやね。インターネットでそこまで進んでいるのよ?

 だったら遊びもそういうのになるのが普通じゃないですか。

 ネットとかそういう最新鋭のものにね… 
  
 しかし、一番人気のあった遊びが…
 

 





 …












 これ




 








 



DSCF0033112.jpg





 ちょ… 待てよ!!(笑)












 これはないだろう(笑)。
 
 知ってる人多いでしょ。このサッカーゲーム。

 なんていうのか棒で人形動かしてやるやつですよ。


 いつの時代の玩具なんだよ!! って感じなんですが…

 
 う~んわからない。イギリスという国がわからない…




 そしてその後に食堂に案内されたんですが、ここにサプライズがあった。なんとここはハリーポッターの撮影に使われた食堂。

 いや…でも私はハリーポッターみたんだけど思い出せなかった。

 もし次回作で使われているなら、映画を見てにやけられるかもしれませんねえ。でも確かに雰囲気でてます。


 



DSCF001411fr.jpg


う~ん。こんなシーンありましたっけ?


 


DSCF001511rf.jpg



 なんか映画で見た気がするようなしないような…。

 もちろん一応写真だけは撮っておきましたけどね。

 ここを観光するのは普通は無理だろうから儲けもんですよ。

 良かった良かった。

 
 その後に解散して私たちはイギリスの空港近くのホテルまで4時間かけて移動。

 そのホテルで数時間寝た後に、すぐさま空港へ向かい、今度はフランスへ。

 フライト時間は約1時間半。近いですねえ。もちろんパスポートはいるんですけどね。

 途中スチュワーデスさんにサッカー選手のロナウジーニョに似てる人を発見してパシャリ。

財前「OH ロナウジーニョ ロナウジーニョ。Picture OK?」




DSCF005611321.jpg




 て言ったら相手は困惑してましたが、堪忍したのかカメラ目線で姿勢を正してくれました。(当然手前の女性には完全スルーされた)

 いやあ通じるもんですね。片言の英語でも(笑)。







In フランス


 


DSCF007911234.jpg


 
 そして私たちはフランスに到着。

 
 当然すぐさまビジネスに入ります。休む暇もないですね。いやあ しんどい…。

 こちらも向こうの会社の社長や重役さんに一通りお会いした後にパワーポイントを使ったプレゼンテーションや商談を行う。


 8時間後…仕事を終えた後に今度はフランスのホテルにチェックイン。


 なんとなんと。今度もフランスの方が予約してくれていたホテルはヒルトンでした。ホント全世界にあるんですね。ヒルトンって…。
 

0601234tgfdwtfwtwer4.jpg


 綺麗な町ですよねえ。 

 イギリスよりも綺麗な気がしました。新婚旅行とか彼女と来るならここはお勧めかもしれません。

DSCF0068dteew.jpg


 そして各々チェックインを済ませて個人の部屋に入ったんですが…


 私の部屋からなにか凄い物がみえるんですよ。その窓から…。


 わかります?中庭です。

DSCF0074234r.jpg


 いやね。ホテルの中庭なのかどうかわかりません。でもね。窓から行こうと思えば行けるんですよ。

 でもね。プールはあるんですが水は入ってないし、どうもその近くに廃墟みたいなのがあって異様な雰囲気を醸し出しています。

 なんか雰囲気が恐い。

 でもちょっと行ってみたい…。
 

 夜飯の集合時間はロビーに7時半です。今は6時15分。あと1時間15分も時間はある。もし何かあっても大丈夫な時間帯。

 これは行くしかない…。


 ということでコッソリと中庭に侵入。 

 プール周辺を散策するも、怪しい物は見あたらなかったのですが、奥の方に黄色い看板を発見します。

 そしてそこに書いてある文字は…







 DANGER(危険)
 




 で…デンジャー? この先危険地帯だと!?


 ちょっとまて…ここは権威あるヒルトンホテルのすぐ近くだよ?そんなとこにデンジャーゾーンなんてあっていいのか?
 
 やばい。これは気になる。

 こ…この先に一体何があるというんだ。

 しかしその先を見ると茂みの中に廃墟みたいな物が見える。穴とかもたくさんあって蛇がいそうな感じだし…。フランスって毒蜘蛛とかもいたっけ??

 そういうのがいるから危険てなってるのかな…。


 しかしこのまま素通りはできんだろう。ここで逃げたらチキンだチキン。

 よし… 行こう…。 龍の巣へ 


 






 http://www.youtube.com/watch?v=RQxvMUC6izw

 




 …

 ちょっとビビリすぎでしょうか(笑)。

 途中で恐くなって戻ってきました。


 …


 は?私がチキン?


 いや。おまえらそんなこと言ってもな。恐いんだよ。実際は。

 そりゃな。俺だって撮りたかったさ。この先がどうなってんのかさ。でも行けないんだよ。これ以上は相当勇気がないと無理だ。

 ガサガサ音するし…(蛇?) なんか出そうだし…


 それにおまえ。俺一人だぞ? なんかあっても誰も助けてくれないんだぞ?やばすぎだろ。
 
 そりゃおまえ動画見るだけならさ。安全だよ。なんも危害はないよ。画面の向こうで見てればいいさ。

 しかしこの時の私は生身なんだぞ(笑)。毒蛇とかいるかもしれないんだぞ?わかってるのか貴様。ああ? 毒蜘蛛とか上から落ちてくるかもしれないんだぞ?ああ?

 そんなおまえ…噛まれたりしたらやばすぎだろ。しかも海外だからどこか足滑らせて落ちたりして骨とか折ったらおまえ… 笑い事じゃ済まないわけで…。

 
 …



 …


 
 一応… この動画は公開したくなかったんです。勇気を出してもう少し先まで進む勇士をお見せしたかったんですが、それは無理でした。

 まあ何より恐すぎたというのもありましたが、時間がなかったんです。

 なぜなら… こんなバカな事をしているときに電話があったんですよ。電話は社長からです。

 そりゃこんなデンジャーゾーンで携帯が鳴ったんですから焦ります。





 トゥルルルルル  ツゥルルルルルル


財前「 (;゚д゚)?はい」

社長「何やってんだお前。もう集合時間だろ!!」

財前「え?集合時間??」

 私は急いで腕時計を確認する。しかしまだ6時30分を過ぎたところである。待ち合わせの時間は7時半なのであと1時間もある。

財前「社長。何言ってるんですか。集合は7時半ですよ?」

社長「そうだよ。だから早く来いっていってんだろうが」

財前「まだ6時半ですが…??」

社長「バカ野郎!! フランスの時間に時計を合わせたのか!! 時差があるんだよイギリスとは」

財前「ん?時差? …  は…(;゚д゚)?  し…しまった~!!!!」


社長「部屋の電話してもいないし。どこにいるんだ今」

財前「え?いや…それは…あの…」

 
 どこにいるかなんて言えるわけがない(笑)。

社長「まあいいから早く来い」

財前「はい;;」


 こんなバカな動画を撮っている時… 私の時間は6時30分を指していました。夕食前の集合時間は7時30分。あと1時間あると思っていたんです。


 でも違いました。実際には夕食で集まらなくてはならない時間だったのです。私の時計はイギリス時間。

 …

 ここはフランス。

 そう…。フランスはイギリス時間+1時間なのです。てことで今は6時30分ではなく実際は7時30分だったというわけで…


 いやあ海外ではありがちな失敗ですねえ。イギリスからフランスなんて飛行機で1時間程度だからまさか時差があるなんて夢にも思いませんでしたよ。

 … 

 そしてロビーに降りてみると…社長と通訳さんがいましたが、常務の姿が見あたらない。ま…まさか??


財前「申し訳ありませんでした;;」

社長「おう 気をつけろよ」

通訳「ちゃんと時計は合わせといて下さいね」

財前「はい…。夕食時間なのにご迷惑をおかけして… しかるに常務はどちらですか??」

社長「それがな。まだ来てない。」

通訳「恐らくは…」

財前「なるほど… わかりました私が電話しましょう」

社長「頼む。おまえと違って常務は海外ベテランだからな。言いにくい」

通訳「ですよね…」


 
 ('・c_,・` )プッ 常務も1時間勘違いしてるな??


 早速常務の部屋に電話をかける。


財前「もしもし? 常務ですか?」
 
常務「なんだよ」

財前「そろそろ夕食のお時間です」

常務「あ!?まだ早いだろう。ワシこれから風呂はいるから切るぞ」

財前「クックック… そんなお時間はありませんな」
 
常務「ん?」

財前「どういうわけか集合時間をとっくに過ぎてるんですよ 実は」

常務「はぁ?? 何いっとるんだ。まだ6時30分じゃないか」

財前「それはイギリス時間となっております」

常務「ん?。あ!?」

財前「お気づきですかな? フフフ」

常務「…」


 ガチャ。



 電話が切れる。

 その瞬間バタバタという駆け足とともに常務が階段で降りてきた(笑)。

(´゚ c_,゚`)プッ


常務「イカンイカンw 勘違いしていたよ。そうかここはフランスかw」

社長「ベテランが間違えるとは」

財前「猿も木から落ちるとはこういう事を言うのでしょう」

常務「なんだと…。 しかしおまえよくわかったな」

財前「え? いや…実は私もですね…」

常務「なんだおまえもか!! 調子に乗るなコラ」


 その後になんと社長も1時間間違えていたことが通訳の暴露により明るみになる。つまり全員勘違いしていたと…。

 社長とかひどすぎる。自分も間違えてるのに人を馬鹿呼ばわりとか…。

 あの電話はないだろうと思いましたけどね…。

 人に「時差は常識だろ」なんて言っておきながら実は自分も間違えているとは…

 まあ常務もやらかしてくれたから助かりましたよ。

 私1人間違えてるんだったら一生言われ続けたに違いない。


 しかし日本だと北海道と沖縄でも時差がないのに、ヨーロッパだとちょっと行っただけで普通に時差があるんですねえ。


 いやあ勉強になります。



 …



 笑って終わったこの時差勘違い。しかしこんな楽しい雰囲気はここまで。

 私たちはこの後ヨーロッパの魚介類による恐怖の腹痛に悩まされる…

 こんなこと思ってもいなかった…。

DSCF01371345y.jpg



 逃れられるはずがありませんよ…。まさに罠でしたから…。
 













その他の海外記 http://ninehalt.blog4.fc2.com/blog-category-30.html
関連記事








Edit Comments(38) trackBack(0) |