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2015(Fri) 04/17
八十八茶 其の1 石碑の秘密 (59)
不和永久に「とと様」と「かか様」から受け継いだ神社を守る…という使命を全うするのが私の日々の勤め。
そのためにできる限りの事はしてきたつもりです。
しかし「とと様」と「かか様」が亡くなって丁度2ヶ月経ったある日の事…。
一通の手紙が私の元に届きました…
そう…
今思うとこの手紙が全ての元凶…。
このたった一通の手紙によって私の全てが変わってしまったのです。
その内容は死んだはずの「とと様」と「かか様」が別の世界で生きているという内容でした。いえ、もちろん真意は確かではありません。しかし、内容からして疑文とは思えないのです…
あまりに衝撃的な文章でしたので、しばし、自分の目を疑いましたが、私も神の御心を受けた身。このような事を黙って放っておけるわけがありませぬ。特にこの文の書き方…。間違いなく悪人…
…手紙の内容はこう。
八十八茶さんですかね?
グエヘヘ。
え?
あっしが誰かって?
イ~ヒッヒッヒ。
それを言う必要はないでヤンス。
あんたの母さんなんですがね。ヘッヘッヘ…。儲けさせて貰いやしたよ。今までの史上最高額で落札でござんした。
まあ投げ賊という事もありやしてね。多少色つけて商談したら売れてしまったというわけでして…。ヘッヘッヘ…
懐ホクホクでヤンス…。まあ帰る事は期待しない方がいいでヤンスよ。なにしろお売りした旦那は大御所「ざいz」…
(;゚д゚)?
おっと口が滑る所でやんしたね…。
残念ながら旦那にこの事は口止めされてるんでヤンス。旦那は今日もMバイキnを…
(;゚д゚)?
おっとっと。またまた危ないところでヤンス。
まあ何をしても無駄でヤンス。何しろあの旦那の手にかかるとどんな強情な女もすぐ妊娠し…
=====○)д`);.・;゛;ブッ
…
ま…まあそういうわけでヤンして、本意ではありやせんが、一応リベートのお金を送っておくでヤンス。これ払っておかないとネクソ…
=====○)д`);.・;゛;ブッ
ヘッヘッヘ…。
ええ。こちらも商売でやんしてね…。お上には逆らえない立場でして…。この金で納得して頂いて…ヘッヘッヘ…通報はしないで欲しいでヤンス。
命が惜しいでヤンスよね?
あ
そうそう。
こっそり探したって無駄でヤンスよ。何しろ売ったところはメイプルアイラ…
(;゚д゚)?
ヘッヘッヘ…。また口が滑るところでヤンした…。
じゃあ、あっしはそろそろこの辺でおいとまさせて頂きやす…。
???
かか様を売った?
どういうことでしょう?
それに投げ賊だから高く売れたとは…?
かか様はこの神社の総代 巫女だったはず。賊なんて不届きな。
そしてかか様を買った人物は誰なのか…
さっぱりわかりません。
しかし、この手紙には最大のヒントが書かれていました。
それが
何しろ売ったところはメイプルアイラ…
メイプルアイラ…
…
どこでしょう。ここは。聞いた事もありません。
この日を境に私はこの手紙の情報を頼りに世界中の有りとあらゆる所を旅しました。
メイプルアイラ…、ざいぜ…、投げ賊、ネクソ…
この単語を頼りに…。
インド…オーストリア、アメリカ、ロシア、ヨーロッパ…
様々な所を巡業しましたが…何一つ手がかりがないまま、月日が流れました。しかし…
答えはなんと意外にもすぐ近くにあったのです。
それは日本。そして四国。四国八十八カ所お札参りは有名ですが、それとは別に
裏の死国八十八カ所巡り…
というのが、ありまして。
その総本山がロンダルキアにある「メイプル総回診本堂」。そしてその本堂の総代が「かか様」と「とと様」と時を同じくして姿を消したとの事…。
さっそくそこに調査に出かけると…?
驚くべき事に、その本堂の石碑にはメイプル…投げ賊、斬り賊、ネクソン…
あの手紙の内容の単語がありとあらゆるところに彫られています。この言葉を彫った者の名は残念ながら削り取られておりましたが、なんと巡礼者は1日に9000人近く訪れています。
そして不思議な事に1日に約1回石碑の数は増えているとか…。
少々公的に不適切な内容も含まれていますが、この石碑…。妙に魔力があります。読んでいる内にその世界に引き込まれ、巫女の私でさえもふしだらな気持ちにおちい…
…
9000人者巡業者が日々訪れているというのに…このようなふしだらな内容を神聖な本堂に彫るとは…
私は、すぐさま悪霊退散の儀式を行いました。ここを浄化する必要があると判断したのです。 しかしどういうことでしょうか?
まったく効果がありません。退散するどころかそのふしだらな内容は日を追う毎にさらに傲慢になっていく…。さらにどんどんと新しい石碑が彫られていく…。神聖なる光が…闇の光に負けるなんて…。
この淫らな内容からして彫っているのは男に間違いはないのでしょうが…。
しかし…この魔力…。この石碑を彫っている人物は一体…
そして驚くべき事に
石碑に彫られている女性の絵、そして本堂に祭られている女性…。この女性が「かか様」に酷似しているのです。
そして「かか様」に関する記事と思われるものが一つ…。
一体どうなっているんでしょう?
しかし…
逆を考えれば…この男なら手紙に書かれている場所を知っているのではないかしら?
石碑を彫りに来る時を捕まえれば…
私は本堂にてその時をジッと待つ事にしました。
しかし…
本堂で一日中張っていても石碑を彫る人物は現れません。そして少し目を離した隙にまた知らない新たな内容の石碑が立っている…
い…一体いつ石碑を彫っているの?
!?
もしや…この男…
実態がないのかもしれませぬ…。
そうとしか考えられませぬ。
つまり悪霊…。幽霊…。
それならばと
私はこの男と幽体離脱でコンタクトを取る事にしました。巫女である私にとってこの程度の事は簡単な事です。
意識を集中し、魂を解放。そして石碑の人物の元へ…
…
いやぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
魔の力を発する男に近づいた瞬間、私は一目散で実体に戻りました。ダメです。この男…。
このような種類の霊気を感じた事は未だかつてありません。
それほど霊力は強力でもなく、悪意も感じなかったのですが…
なんと
この男の
半径2メートル以内に近づくと妊娠します
幽体離脱していたからよかったようなものの…。
実際に生身で会っていたらと思うと背筋が凍り付きました…。神聖なる巫女である私ともあろうものが…
あと少しで間違いなく彼の… を受け入れてしまっていたでしょう…。その気になった自分が憎い…。
とんでもない…男です。女性にとっては危険極まりない。恐らく…神の世界で性欲というのは悪の分類に属さないため、悪霊退散では効果がなかったのでしょう。
しかし…
神の巫女である私に対してこのような侮辱…。
「かか様」もやはり…この男の手に落ちたのでしょうか?。
今
全てのピースが揃いました…。売られたのは「かか様」。そして「とと様」に関する情報はない…。性欲の固まりの様なこの悪霊に「とと様」は必要なかったのでしょう…。
しかし
かか様は間違いなくこの男の元にいる。
彼は墓穴を掘りましたね…。私という存在を想定していない…。すべての答えはこの石碑に彼自身が彫刻している…。
メイプルアイランドへの行き方、生き方、そして悪霊との戦い方…。
自らが石碑を彫り、巡礼者をメイプルアイランドへと誘導する目的は全世界の女性を手中に取り込む事でしょうか?
あまりに無謀な計画のように思えますが、今やこれほどの巡礼者がいる現在…無視できる事ではありません。
…
しかし…
幽体離脱での交渉が無理だとすると…直接成敗するしかない…。
かくして私の旅は始まりました。
今も生きているという「かか様」。そして所在に関しては一切不明の「とと様」…。
その答えは この悪霊の様な本堂の彫刻人が知っているのでしょう。そして彼もきっとそこにいる…。
私は自らの御堂に帰還し、旅支度を調えました。
代々伝わる3種の神器をそっと持ち出す。驚くべき事に…2つの神器はありませんでした。恐らく「とと様」と「かか様」が一つずつ持っていかれたのでしょう。
私に残されていたのは草薙帽子

これは代々の巫女が自らの純血を守るために着用した神の帽子。男性の性欲を0にする事が可能です。これさえあれば、あの男の強力な性欲を撃退できるはず。近づくだけで妊娠させられてしまう性欲の固まりのような彼に対抗するにはこれを常時被る意外にないでしょう。
「かか様」もこれを持っていかれておれば…。
もう遅いですね…。
そしてもう一つの大切な使命。
巫女としての使命も同時に果たさなければなりませぬ。
彼の石碑に書かれた魔の力の石碑…。それを私の御仏の石碑で浄化します。本来世に出るべき本堂を無視し、裏の本堂が力をつけるなどあってはならないこと。
かくして 私の長き旅は始まったのです。
降り立った八十八茶

悪霊が彫った石碑に書かれていたメイプルアイランドへ旅立つ条件は
「御身の氏名」「コードネーム」を私に念じなさい。
という事でした。
私が本堂の真ん中でこれを念じると…
突然あの悪霊から問いかけられました。
石碑を彫った悪霊「汝は男か?女か?」
という悪霊の声…。
私は
八十八茶「女です…」
と彼に念じると…?
石碑を彫った悪霊「(;´Д`)ハァハァ」
というふしだらな息使いが聞こえ、私は見知らぬ島に転送されました。どうやら…悪霊は間抜けにも快く巫女である私の入島を受け入れてくれたようです。後に私の手によって成敗されるとも知らず…。
(*ノωノ)
目を開けてみると?

意外な事にあの悪霊の固まりのような本堂とはうって変わり、まるで天国のような情景。周りにはかわいい「かたつむり」が多数生息しています。
しかし、このかたつむりにも霊気を感じます。あの悪霊の…。
もちろんあの悪霊の霊気に比べると月とスッポンですので、近づいただけで妊娠する事はないでしょう。放っておいても害はなさそうですが、あの石碑を彫った男に女性を見ると興奮するような暗示をかけられてしまっているようです。それを証拠に私をなめ回そうとモソモソと近づいてくる…。
このようなかわいらしい生き物に…あの男…
ふしだらな…

どうやら数発叩くと我に返るようです。
最後に浄化して悪霊は退散。

橋の下で監視?している悪霊もいますが、今の私には手が出せないでしょう。
しかし…
数匹倒したところで気がつきました。
次から次へと無限にこの「かたつむり」は沸いて出るのです。
これではキリがない。
一人で全てを撃退するのは難しそうです…。
やはり元を絶たないと…

行く手を阻むカタツムリの一群を払いのけ進んでいくと?
なんと
〒ポストが!!!

なぜ、このような所に〒ポストが?
さらに驚くべき事に

なんとこんな辺境の地に人が!!
しかも男性のようです。
あの悪霊本堂の9000人の巡業者の内の一人でしょうか?
彼も悪霊退散に精を出しているようですね。お手伝いしようかと思いましたが、
どこからともなく
「横やめて」
という声が聞こえました。
??
横やめて?
「横やめて」とはなんでしょう。お会いした人が言ったわけではありません。別の人ですが、この言葉には何か悪霊のようなものが感じられました。人の心の奥に潜む、魔の部分…。これが具体化された言葉のような感じとでも申しましょうか?
そういえば石碑には
「この世界には様々なタイプの人間が存在している。しかも発言、行動、悪行すべて自由。そこには上下関係も複雑な人間関係も存在しない。すべてが平等だ。そして現実世界のように身元が割れる事はない。責任の所在が不明確なこの世界でルールを作成する事は難しい。一部の事柄以外は完全我ら住人が決める事なのである。そこに善も悪も存在しない。己の信じる行動を取ればいいのだ。己と考え方が違う輩に遭遇した場合には、交渉する、もしくはスルースキル発動が最も有効な手段となるだろう」
「横やめて」
正しい言葉なのかどうか私にはわかりませぬ。しかし、何か負の感情を抱いたのは確か。
そしてスルー…。語句の真意は不明ですが、この言葉…。どういう意味が…。
とりあえず先ほどの方は無視して一帯のカタツムリを浄化していると?

サウスぺリという場所への看板を発見致しました。
サウスペリ?
なんでしょか?一体…
丁度近くに人がいらっしゃいましたので聞いてみましたが、サウスペリに関する情報を聞くどころか、

「おお、あなた。カタツムリを10匹駆除して下さい」
…と逆に依頼されてしまいました。
まさか断るわけにもいきません…。とんだ寄り道に…
…とりあえずは依頼を完了しまして、サウスペリに向かうと?

ほうほう。
機械ですか。
さらに

卵やいちごを売っている店もありましたので、どうやらここは町のようです。魔物もいませんし。
しかし…
進んでいくと、いきなりなにやら強い霊力を感じました。
こ…これはもしや??
あのメイプル総回診本堂で感じた霊力。
まさかあの男が近くに!?
に…妊娠する(*ノωノ)
さっそく神器である草薙帽子を装着。
そうでした…。
油断して神器を被ってませんでした…。調べてみると強い霊力を感じた先はこの船でした。

どうやら最近あの男はこの船に乗ったようですね…。
彼の歩いた証拠にかんばんの女性がふしだらな姿に…
それほどまだ遠くには行ってないのでしょうか?
それともこの船に乗った先に何かがあるのでしょうか?
どうやらぐずぐずしてはいられないようです。
私は船に乗り込みこの島を出る事にしました。
町の人に話を聞いてわかったのですが…

やはり…どうやらここからが本番のようです…。
…どうもおかしいと思いました。この島は天国のような場所でしたから。
かたつむりしか居ませんし…ね。
つまり…
石碑に描かれていた悪霊の巣くう場所は…
この先にあるようですね…。

如何でしたでしょうか。
私としても新しい感じですかね。せっかく長らく総回診、日記を運営してきたのです。その歴史も利用しつつ、初めての方にもわかるように書いたつもりです。私の分身とは言い難い八十八茶をずっと書き続ける事は困難なので、下ネタ担当として自分もちゃっかりと隠れて登場させました(笑)。
横殴りなんかについてもいい意味でうまく書けました。負の記事にはなっていないはず。所持金0で。強化品なしで…というコメントもありましたが、今回の目的はそういうものではなく、あくまでも物語、そしてめいぽの紹介…。
所持金、メインの強化品使用などはなんの関係もないんですよ(笑)。というより職業の強さも…もはや関係ない。
職として選ぶ予定なのはもちろんネタの宝庫のあの職業。
めいぽサイトを始めて半年…。初めていい意味で読者様を裏切れたような気がします。
私の日記は今後この様に追記として書く事になりますかね。