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2011(Sun) 02/06
海外記5-2 一人の男がイギリスに立ち向かおうとして追った傷が深すぎる件(100)
1月の27日から2月9日までの予定でイギリスのケンブリッジ近くに来ています。
理由は4月から私はイギリスに転勤するからです。
転勤と言ってもこちらに会社があるわけじゃなくて、これから作る…というか、将来作る…という非常に曖昧なもの。現地イギリスの英語学校に入って1年間英語を勉強し、人脈を作った上でイギリスに現地法人を立ち上げる。
なぜなら、日本の未来を見た場合…常識で考えると日本だけでやっている会社のほとんどがこの数年間で淘汰されていくのは火を見るよりも明らか。
ヨーロッパ、アメリカにも会社の根を張って、ビジネスを行い、これからの時代で生き残るには…今しかない。
でもこれからスタートなので形になるのはかなりの時間を要するでしょう。
恐らく…
今回の仕事が評価されるのは20年後の未来…になるでしょう。

というわけでですね。
格好つけると上記が私がイギリスに駐在する主な役割となります。つまり会社の生き残りをかけて海外に進出するということです。まあ頭ではわかっていました。
うちの会社も世界に出ないとなあって。
頭ではわかっていても誰もしませんよね。進んで苦労する人なんていない。私もしません。
会社でそういうのを考えるのは社長ですから。
でもまさかこんな事をですね…
自分がする事になるとは思いもよらなかったという…

え? マジで僕なの? みたいな。
ギャグです。
最初は1年て言われてたんですけど、まず間違い無く3年コースですね…これは。でも1年間はビザで行って後の2年間は日本と海外を行き来する…という感じになるのかもしれませんね。
そして4月からこちらに来るということで今回の出張の目的はこちらの棲み家を探すことと学校を決める事。こちらを通訳くんと2人でなんとかしないといけない。
その後、2月3日には社長がイギリスに来るのでそこで物件と学校を確認してもらって承認を得る。ここまでできればOKでした。
しかし…これがうまくいきません。
どうやら…4月からのイギリスはどうも地獄のようです。
1月28日にイギリスのヒースロー空港に着くと通訳君から電話着信。どうやら通訳くんは私の到着時間を調べていたらしく連絡をしてきてくれたらしい。電話に出ると…
通訳「財前さん到着しましたか!!」
財前「ああ」
通訳「イギリスヒースロー空港からスタンステッド空港までバスにて移動お願い致します;;」
財前「え?バス?迎えに来てくれないの?」
通訳「財前さんはこちらの人間になるんでしょう?それくらい経験しないと」
財前「なるほど…。で?どうすればいいのかな」
通訳「手荷物を受け取った後、到着エリア(Arrival)に出ます。空港内標識にCentral Bus Stationと書かれてありますので、標識に従い空港直結のCentral Bus Stationまで歩きます。(所要時間8分)。16:10PM発(スタンステッド17:35着予定)のバスにご乗車お願い致します。
万一間に合わなかった場合は1時間後の17:10PM(18:55着予定)にご乗車ください。バスの情報はCentral Bus Stationの電光掲示版に表示されます。16:10PMの便名はJL727、最終目的地のNorwich行きで表示されています。7:10PMの便名はJL797、最終目的地のCambridge行きで表示されています。乗り場の番号、状況、遅れ等も電光掲示版に表示されますのでご確認ください。
最後に、乗る前にドライバーに何処まで行くか聞かれると思いますので、チケットを見せてStanstedとお答えください」
財前「…ぇ?」
通訳「それではお願いします」
財前「ちょ…え? よくわからなかったんだけど」
通訳「先程の工程は携帯のメールに送っておきますので」
財前「いや…ちょっと待っ…」
プツッ ツーツー
…
それからすぐに自分の携帯にさっきのバスの乗り方の詳細が送られてきた。なるほど…。まあバスに乗るくらいならなんとかなるだろうと思って税関を通ろうとしたが…
今回はまずこの税関で引っかかった。強面の税関がジロジロとこちらを見ながら話しかけてくる。当然私は英語なんてほとんど話せないので変な受け答えになる…。

税関「そこで止まれ」
財前「はい」
税関「おまえは何が目的でイギリスに入国するのか」
財前「え~と。英語学校…」
税関「英語学校?じゃあ証明書を見せて」
財前「いや…それはない」
税関「は?」
財前「4月から」
税関「4月から…だと!?」
財前「そうです」
税関「じゃあ今回くるのは早過ぎるんじゃないか?」
財前「まあ…出張も兼ねてるというか…」
税関「ハッキリしろ。一体ここに何しに来たの?」
ハッキリ言えと言われても英語だから言えないわけで…
財前「住む家を…」
税関「住む家を何?」
財前「え~と…住む家を…さ…サーチしに来た」
税関「どこを探す?」
財前「ケンブリッジ」
税関「今回滞在するホテルは?」
財前「え? あ…通訳君に任せてあるのでわからない…」
税関「は?」
財前「いや…だから…」
税関「ホテルも決めないでくる奴はおかしい。おまえ何者」
財前「ノーノー;; 怪しい物じゃない。ホテルも決まってる」
税関「じゃあどこだ」
財前「え~と…Stansted Hotelだったかな」
税関「ネットで調べたがそんなホテルはない」
財前「え…ああ…」
税関「嘘なら嘘と言え。本当は何を目的できた?」
財前「え…いや…だから英語の勉強…」
税関「何か資料は持ってるか」
財前「あ!?そうだ。これがある。旅費工程表。はいどうぞ」
税関「日本語を俺が読めると思ってるのか…」
財前「あ…」
税関「ちょっと別室へ」
財前「…;;」
こんなやりとりを30分以上も繰り返され…40分後にやっと開放。中国や北朝鮮、そしてエジプトなどの問題で最近はアジア人にどうも悪い奴が多いらしく、私なんてまるで犯罪者扱い。
通訳くんに後で聞いたが、ジャパニーズと言っても背の高かったりすると怪しまれてネックになったりするらしい…。
学校の証書やビザがあればスンナリと入れたのだが、今回はそれがないから仕方がないらしい。
もうこんな状況で現地入りするのは2度と御免なんだが…。
飛行機のエコノミーの狭さで腰がいたい上に、40分も立たされて強面に質問攻撃…。もうこの時点でもう疲労困憊。早くホテルでゆっくり寝たい…。
そして通訳くんのメールに書いてあるとおりにセントラルバスステーションへと行き、Stansted空港行きのバスに乗り込んだ。
1時間30分の行程で料金が片道約2500£だから日本とそれほど物価というか金銭感覚は変わらないらしい。
そしてバスはStansted空港に到着。

そこに通訳君が車で迎えに来てくれていた。
通訳「いやあ財前さん。よくバスに乗れましたね心配しましたよ」
財前「税関で40分も止められて大変だったよ」
通訳「へ~。何かあったんですかね?」
財前「どうも学校とか訳のわからない事を言ったのが不味かったようだね…」
通訳「そういうときはバケーションとかミーティングとか言っておけばいいんですよ」
財前「なるほど! 会議って言えばいいのかw」
通訳「ではレストランとパブに向かいましょうか」
財前「え?いやいや。もういい。もうホテルかえって寝るし」
通訳「ダメですよ。取引先のジミーが来てるんですから」
財前「え…マジ…」
通訳「それでは向かいましょう」
そうしてイギリス現地の取引先であるジミーさんと会食してパブでビールを飲んだら深夜3時になっていた…。理っておくが私は酒が好きでもなんでもないし、レストランの食事も美味しいとは思わない。
その上に英語が聞き取れないのでジミーの言ってることは1割も理解ができない。
つまりジミーと話しているのは通訳君で、私はただ黙って立っているだけなのである…。
これはキツイ。

長旅した瞬間にこの出迎えとか…
まるで地獄だこれは…。
そして翌日の早朝。
ほとんど寝られないまま
いよいよ仕事が始まる。
通訳「今回は住居と学校を決める事が目的です」
財前「うん」
通訳「実は私も現地で家を借りるなんて初めてなのでよくわからないんですよ」
財前「え?マジで?」
通訳「でもまあ不動産屋に行けば簡単だと思いますよw」
財前「え?こっちにも不動産屋があるの?」
通訳「ありますよ」
財前「なんだ。ならすぐじゃないか。じゃあこの出張3日くらいで帰れるんじゃね?」
通訳「スンナリと決まればですね」
財前「不動産屋がいるならスンナリ決まるよww こりゃあ早く日本に帰れそうだ」
と言っていたが…
これが大間違い。
しかし…二人ともこの時点でこの認識がまったく甘い事には気づく由もなかった。

まず家。
通訳くんはアポを取っていた人を不動産屋と思ってたみたいだが、なんか雰囲気が全然違う。
物件の事を聞いても「私は何もわからない」と言われる。どうやら知っているのは物件の場所だけのようだ…。
よくよく聞いてみると実はこちらの物件探しは不動産会社の人がやるわけではない模様。
物件のオーナーがアルバイトみたいなのを雇って、その人に物件を紹介させるスタイルのようだ。
ゆえに商売人的雰囲気はほとんどない。
実際その人と話をしようとするといきなり嫌な顔をされて
「おまいらチャイニーズ?」
みたいな嫌悪感丸出しの顔。こちらが
「我々はジャパニーズ」と言うと、突然誰かと電話をしだして
「おいおい。ジャップがこの家を借りたいんだってよw」
「冗談やめてくれよなw」
みたいな感じで話してる。
そして
「悪いがこの物件を紹介するのは無理だ。なぜならこの物件はほかにも借りたい人がいるから」
とかいきなり訳のわからない事を言われる。
その人も物件を貸したいから紹介してるはずなのにこちらがアジア人だとわかった途端に怪しまれる。
相手の顔を見てればよくわかる。そういう感じだ。
しかし通訳君が食い下がって
「我々は会社人だ。日本に会社も持ってる。金はちゃんと払う。物件を貸すに値する存在だぞ」
と言うと、相手も少しは話しを聞くそぶりを見せて
「なんて会社だ?」と聞き返してくる。通訳君が
「こういう会社だ」と言うと
「それはイギリスにあるのか?」と聞き返してきて八方塞がり。もちろんイギリスの私の会社は登記していないのでない。つまり会社があることを証明しようがない。イギリスでは私の会社など存在自体がないのである。
それならばと「英語学校に行くから家を借りる」と伝えても税関と同じく「証明書は?ビザは?学校の書類は?」と質問されて終わってしまう。
そんなものはない。
なぜなら私は学校に入学をまだしてないから…。しかも学校側も住むところが決まらないと入学願書を出せないシステムであるためどっちにしても出口なき道なのである。
ないことを伝えると
「ほらみろw やっぱりないじゃないかジャップ!w」と笑われる。
これほどアジア人は信用がないのか…。
今までぬくぬくと日本人として日本で生きてきた自分が恥ずかしくなった瞬間である。
世界とはこういうモノなんだという現実に絶望を感じた。
なんだかんだでやっぱり世界に出ると全然違う。家を借りるのですらこのザマなのか…。
まあ逆の立場で考えると私も日本で家を持っていたとして、それを外人や中国人に貸すかと言われればそれは貸さないわけで…。なんとなくわかる気もする…。
最後の手段として通訳君がゴールドのクレジットカード、そして腕に巻いているイザという時のためのロレックスを見せる。
すると相手の反応が少し変わる。「お?こいつら金もってるのか?」みたいな感じだ。
バイヤー「ふ~む。なるほど。でもおまえら本当に日本人か?中国人じゃないだろうな」
通訳「断じて違う。我々はジャパニーズだ」
バイヤー「オーナーは言っている。おまえらは半年分の家賃を前払いで払わなければならない」
通訳「なんだと!?」
バイヤー「つまり半年分で6000£だ」(1£=131円)
通訳「…」
バイヤー「そして何か変なことを少しでもしたらその瞬間に追い出す。同意するか?」
通訳「ぐ…」
…
通訳「財前さん…。どうします?」
財前「仕方ないね。我々は現地人にとって信用ない存在なんだし」
通訳「わかりました」
しかしこれでも私たちをオーナーに紹介してくれるかはその男次第で、もし紹介してくれたとしてもオーナーが拒否すれば家は借りられないようです。
つまりハッキリ言って今回は望み薄。
泣きそう。
しかし次の物件の紹介人はやさしかった。すごく説明も丁寧な人で「おお。この人はやさしいじゃないか」と通訳くんと二人でニンマリ。

貸し部屋も悪くない間取りと綺麗さで、ここに決めよう…と思ったら家賃がヤバいくらい高額で卒倒。
なんとこの部屋は1週間に1回掃除してくれるタイプの部屋らしく
1ヶ月で3000£も必要。
つまりさきほどの家賃の3倍。日本円で言うと1ヶ月35万円の部屋である…。
これで通訳くんと私はこの男がやけに外国人にもやさしかった理由に気づく。つまり詐欺…というかボッタクリなのだこの男…。要はアジア人という事で貸賃を張り上げ、大金をせしめてやろうという丸出しの男だったということで…
高いから借りないというと値下げをしてきたが、それでも借りられる金額ではなく、「もういい」と伝えるとなにやら汚い言葉を吐きかけてその男はどこかへ消えて言った。
なんだここは…
先進国イギリスでもこんなものなのか。
部屋を借りることすらマトモにできないなんて…なんという絶望。
泣いてもこれが現実。
さすがの通訳くんも通訳だけならこれまでこなしてきたが、部屋を自分たちだけの力で借りるなんて初めての経験らしく打ちひしがれていた。
そんな中で二人で出した結論は…
誰か現地の人をエージェントを立てて仲介してもらう事
これしかない。まずは現状把握。アジア人二人では部屋などとても借りられないことをまず自覚することが大事。ではどうするか。
それにはやはり現地人を間に立ってもらうしかないのである。
早速、イギリスの取引先の人に連絡し、その人の知り合いで不動産関係の人が丁度いるとの事で紹介してもらい、その人にエージェントになって貰った。
翌日…
その人との待ち合わせ場所に行くといきなり5件の物件がリストアップされていた。
さすが現地人…。自分たちアジア人の力など無力なのだ。
驚いたのはエージェントは女性だった事。そして肥満国NO2のイギリスらしく100キロはあろうかという巨漢だ。彼女が言うにはケンブリッジの部屋の平均家賃は1ヶ月で約1000£~1200£。
これは日本でいう2LDKくらいの大きさでの話。
6畳1間とかであればもっと安いのだろうが、今回は嫁もイギリスに連れていくのでそれくらいの部屋が必要なのである。嫁に欝やノイローゼになられても困るし、治安の関係でセキュリティもある程度ないと最悪犯罪に巻き込まれる可能性があるので…。
エージェントを立てたことで交渉はある程度やりやすかったが、それでも貸すかどうかはオーナー判断になる。基本的にその物件のオーナーは表に出てこないし、我々の姿を見ることもないので、書類ですべて確認する。
もしオーナーがジャパニーズ嫌いなら一環の終わりだ
という意見はエージェントも同じだった。
そしてその翌日…
社長がイギリスに到着。ここぞとばかりに私がこれまで苦労を話すと終始上機嫌で「苦労させるために何の補助もつけてない。良いからもっともっと苦労しろ」みたいな事を繰り返すばかり。
とにかく海外での苦労を経験して欲しいらしい。
まあ気持ちはわかる…が。
エージェントの人に紹介された物件全てを案内してもらう。社長も海外に何年間も学生に住んでいたという経験の持ち主ではあるものの、今回のような事は知らなかったようで
「やはり海外に進出するのは並大抵の事じゃないな…まずは会社を登記か」
しかし登記をするのには莫大なお金が必要。危機感を募らせていた。
一応住まいは広さと値段を社長に確認して貰ったので、ベースはできた。後はもう類似物件をエージェントに任せて探してもらうしかない。
次に学校探し。
とりあえずリストアップしている所に行くと…
これは参った。私は別に良かったのだけれど、どうにも通訳くんと学校側の先生が話しているうちに犬猿の仲になってしまったようでお互いに口喧嘩を初めているのだ…。
私は英語がわからないので
一体どういう事かと。何を言っているのかと通訳くんに聞くと
通訳「聞いてくださいよ財前さん! この女ですね。こっちが英語へたくそだと思ってABCから始めるビギナーコースを進めてくるんですよ」
財前「え?ま…まあ別にそこから初めてもいいんじゃない?」
通訳「そんな幼稚園クラスみたいな所はケンブリッジにないですよw ロンドンなんです。その教室」
財前「え!?それはまずい…」
通訳「でしょう?ケンブリッジで家も探してるわけですし」
すると学校の校長?みたいな女の人が今度は私に詰め寄る

女校長「あなたが生徒のなりたい人?英語での受け答えはできるんでしょうね。うちの学校はそれが前提なのよ?」
財前「オ~。イエスイエス」
女校長「まあなんと汚い発音なんでしょう。ビギナー以下だわ」
通訳「言いすぎだ!!」
女校長「うちの学校はそういう方針だから仕方ないのよ」
通訳「そんなバカなことがあるか! そもそも受け答えができてしゃべれるなら語学学校などには来ない」
財前「ま…まあまあ通訳くん。入れればいいんだからさ。入れれば。ここはひとつ穏便にだな…」
そんな中で空気の読めない社長は勝手に学校の庭なんかを散策をはじめ、さらに女校長に怒られる…。
女校長「勝手に学校内を歩きまわらないで!! 不審者として通報するわよ」
社長「ほえ?」
通訳「不審者だと!?我々は学校入学希望者だと言っているだろう。客だぞ」
女校長「不審者に入学して欲しいとは思わないわ。英語もしゃべれない癖に」
通訳「馬鹿にするな!私はTOEFL600だぞ」
女校長「TOEFL?それはアメリカの基準ね。イギリスではIELTSなの。残念ね」
通訳「こいつ減らず口を…」
社長も女校長の剣幕を見てようやくヤバい事に気づいたのか、急にしおらしくなって「もう帰ろう…」なんてボヤき出す。でも通訳くんは強気の女校長に見下されてることに我慢ならないらしくまだ口喧嘩中。
無茶苦茶な状況である…
そもそも通訳がなんで喧嘩してるのか。語学学校に入るのは私ではないか。通訳は関係ない。
財前「おい通訳。もういい。謝れ。」
通訳「えええ!?なんでこんなのに謝らなきゃならないんですか。これは人種差別ですよ」
財前「差別?」
通訳「我々を見下してるんですよ」
財前「おまえがその校長より背が低いからそう感じるだけじゃないのか?」
通訳「そんな事は…」
財前「とにかく人種差別なんて関係ない。君は俺がこの学校に入れるようにすればいいだけだ」
通訳「しかしですね!」
財前「仕事は結果が全て。入学できなければすべてパー。そういう世界。わかるよね」
通訳「はぁ…」
財前「とにかく頭を下げて謝って話をまとめてくれ」
通訳「わかりました」
そして結果的に…
よく聞くとオンラインでペーパーテストを受けてその基準に達しているかを自分で確認し、学校に入学してきてください…っていう話にまとまった。
よく考えると話がコジレるわけがない感じがするのだけれども…
どうも通訳くんは上から目線で女性から頭越しに言われたことが耐えられなかったらしい。
例えば休みについても「イギリスは学生は1年間に3ヶ月くらい休みをとるので、そうするべき」と言われたのに通訳くんは焦ったらしく「こちらは会社で来るのだから休みは必要ない」と言ったらしいのだが女校長は通訳くんに対し「あなたはそれでいいかもしれないけど彼にも休みが必要でしょう?あなたその顔でサゾなの?」と答え、さらに通訳くんは「必要ないと言っているだろう!」なんて話で喧嘩してたらしい。
アホである…。
そもそも通訳くんはわかってない。
イギリス人と日本人と並んだ時、どちらが優劣かと言えばそれはイギリス人に決まってる。
見た目から言語からスポーツから何から何まで上だ。
日本が勝ってる事と言えば手先が器用な事くらいかもしれない。
そこを頑張って同列にしなくても…見下されてもいいじゃん。と私は思うのだけれどそう思わない人も日本には多いらしい。
これは戦後たった60年で作り上げた日本人としてのプライドなのか。
どちらにしてもこれによって学校に入れるかどうかも微妙な空気になって私は疲労困憊。
こうなると日頃の疲れというか、安らぎはもはや食べ物とかゲーム、そしてTVにしかないわけだが、ゲームはできない。XBOXはないし、メイプルストーリーはイギリスから繋がらない…

どうしようもない。
正直言ってゲームできないという事が一番精神的にキツイ。
本当になにもやる事がない…。
TVをつけても何を言っているのかさっぱりわからないので付けても意味ない…。
これも辛い。
最後の望みで食事があるわけだが、イギリスの食べ物が糞まずいというのは世界中でネタにされているほど周知の事実。実際マズすぎて話にならない。
実際レストランにも行ってみたが、とにかく日本でいう不味いというレベルは超えていて
吐き気を醸しだすマズさ。
もはや罰ゲームと同意だ。これは。こんな飯を2日もレストランで食べると胃が弱ってしまうので通訳くんに「レストランに食べにいくのはやめよう…今日はスーパーでお菓子でも買って夕食を済ませたい」と伝え、3日の夜はスーパーで済ますことにしたが、実はスーパーも罠ばかり。
まずカップラーメンだ。日清のカップヌードルは世界中で食べられてると聞いていたのでカップヌードルコーナーに行ったのだが、日清のカップヌードルがどこにもない。
最後の生命線の日清がない。
「なぜ日清がないんだ!!あの味は世界共通だろ」と通訳に怒鳴っても

「イギリスに日清のカップヌードルなんてありませんよ…」
と返される始末。世界中で1億食じゃなかったのか!? あれはどこで食べれられてるんだ…まったく。
しょうがないのでイギリス現地で作られてるカップラーメンを買った。まあカップラーメンである。どんなに不味くても…たかがしてれる
そう思ってこのTESCOのカップラーメンを食べてみたが…
予想に反して破壊的なマズさ。2口食べてやめました。(これはおみやげにしたいと思います)
残った麺とスープはトイレに流して終了である。
まさにアンビリーバボー。カップラーメン食って吐きそうになったのは生まれて初めてだ。
次にお菓子。こちらはチャンスはあった。なんとプリングルスがあったのだ。だからそれを買えばノープロブレム。何も問題はなかったが、つい隣にあったオニオンのスナック菓子がおいしそうだったのでそちらを選んでしまいった。
日本でいう投げ輪のお菓子。オニオンリングって奴だ。
あれは美味しい。
しかし… それは儚い夢だった。
こちらも糞マズすぎて話にならない。腐った玉ねぎの味がそのままツーンと来る感じでとても食べられたものじゃない。
玉ねぎの生の匂いがそのままついてるスナック菓子とか誰が食うんだと。
こちらも即効で吐き気を催し、2個ほど食べて捨てた。
結局どちらも敢え無くゴミ箱へと直行する事になったのである…。
しかもそれだけでは終わらなかった。その後めちゃくちゃ口が臭くなってしまって… 寝られないという現実に直面。
寝ようとしても自分の息が臭すぎて眠れないのだ。
しょうがないから歯磨きしようとしたら歯磨き粉が丁度切れてて悶絶!!
結局渡しは発狂しながら熟睡することなく朝を迎える事になった。
ここ数日ブログ更新しなかったのも…この5日で心労が祟り、風邪で喉が痛い上に下痢中。しかもなんか足もジンジン痛む謎の病気にかかっている…。
ゆっくり療養したいのだが、取引先のジミーが毎日に近いペースで飯やら酒やらに誘ってくれるのでまったくやすまる隙がない…。毎晩に近い感じで夜中の2時くらいまでパブで飲まされるし…
ジミーが何言ってるか1割もわからないので、私は4時間くらい無言で飲んでるのと同意なのだ。
下痢中でこの仕打ちは地獄以外の何者でもない。
私は打ちひしがれたよ…先生。

英語が勉強したいだけなんだ… それ以外はないんだ… なのになんでこんな苦労を…
あと3日だ… あと3日で一時日本に帰国できる…
しかしその後が問題だ…。
4月から…こちらで1年に及ぶ生活…。
言葉も話せない状態で私は…
果たして耐えられるのか…
そして皆さん
日本人はいつでも食べたい物を食べ、望むものが全て近くにあります。
日本での何不自由ない生活。
それって凄く幸せな事なんだと私…今回気づきました。
贅沢の極みの生活をしてますよ…。我々日本人は。
まさか後ろ盾なく海外で生活することがこれほど難しいことだとは…。
続き…
2011/02/08 海外記5-3 イギリスがクイーンズイングリッシュでもゲームは万国共通の言語

Cambridge, England. Personally, I prefer Cambridge to Oxford. I think it’s like a little Venice in England.
その他の海外記 http://ninehalt.blog4.fc2.com/blog-category-30.html
![]() | メイプル補完計画 「彫麗」 動画に使う彫麗の画像を募集中。お絵かき掲示板に投稿して頂くか、ファイルのご提供を是非宜しくお願いします ・メイプル補完計画 ニコニコ版 / Youtube版 ・補完計画特設サイト midori.tekoさんがメイプル補完計画コミュニティを作成してくれました!感謝致します |
![]() | 先生なにやってんすかシリーズ ・3DS体験者に被害続出?「一瞬で目が痛い」「気持ち悪くなった」 ・【まとめ】PSP2改め『NGP』お祭り会場 ・国内ゲーム市場規模は35%減、ハード市場はほぼ半減 ・【画像あり】犬派 VS 猫派 ・自分がコンビニ店員に付けられてそうなあだ名wwwww ・日本は低カロリーな物が多くて嬉しい ・Xbox360が前年比で最大の伸びを記録 ・石原慎太郎「八百長なんて昔からあった。騙されて楽しめ」 |
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