さて
語学学校は… と書き始めたいところですが。
実は海外は滞在している間の事も重要ですが、実はイギリスの語学学校などに通うために長期に滞在を希望する場合はその前の段階…つまり準備が非常に重要になってきます。
ゆえに今回はイギリスに行く前の話から始めて行きます。
知っての通り日本人が海外に滞在するにはビザ…という物が必要です。
これはある意味自分を証明?する証明書のようなもので、イギリス側としてもあまり証明書を持っていない人を受け入れたくないのがその理由です。
例えばですね。中国とか色々国があるじゃないですか。そこから悪い奴がどんどん押し寄せてきたらやっぱり困るわけですよね。イギリスとしても…。特に住み着かれたりしたらたまった物じゃない。そういう意味でビザがあるわけです。
もちろんビザがなくても入国は可能です。1週間くらいの旅行なら何ら問題はありません。しかし今回は長期滞在が前提なのでそういう話にはならないんですね。
イギリスはビザなしで6ヶ月まで滞在可能ですが、必ず入国審査のときに「どのくらいの期間予定ですか?」と聞かれます。この場合に「6ヶ月」と答えるとかなり長時間足止めくらう可能性が大です。その上に他のヨーロッパの国などをこのまま旅行してしまうと入国拒否されて最悪の場合日本に送り返されます。
そしてパスポートに×がついてしまうという…。
つまりビザがない場合の長期滞在はあまりお薦めできるようなものではないということですね。
ビザの種類は
・student visitor(最長11ヶ月間まで滞在可能、アルバイト、就労不可、配偶者不可、現地で延長不可)
・高度な学生?ビザ(1年間滞在可能で就労可、配偶者可、現地で延長が可能)
の2種類。私がどちらを取得するかというと当然後者です。なぜならば嫁を連れていかなければなりませんし、現地で滞在期間の延長が可能という事があるからですね。
ビザの申請を手伝ってくれる私の会社の通訳くんからは
「財前さん。安心してください。ビザは簡単に取れますからw」
なんて言われていたので私はビザの取得に関しては大して気にしてなかったのですが…
数日後、すごく楽観的だった通訳くんがいきなり手のひらを返したような事を言い出したのです。

通訳「あの…財前さん。まずいことが…」
財前「どうしたんだ」
通訳「実はビザの件なんですけどね。ちょっと言い忘れてたんですけどテストがあるみたいなんですよ…」
財前「何!?テスト!?」
通訳「…」
財前「何のテストよ」
通訳「もちろん英語ですよ」
財前「…。そんなの聞いてないぞ…」
通訳「え~とですね。実は…イギリスのビザの種類がですね。この3月から変更になってしまったらしくてですね。財前さんは4月に行くことになってるのでその新制度の煽りを受けることに…」
財前「ええええ!? じゃあ3月までに申請してたら試験なしだったの?」
通訳「そういう事になるかもしれません」
財前「おまえそれを早く言えよwww。だったら2月に行ったわ」
通訳「…。で、ですね。一応模擬試験があるんですけどやってみます?」
財前「模擬試験なんてあるの?よし。見せてみろ」
…
財前「ほう。これか。なになに? インジュクレート オブ…」
通訳「ふむふむ」
…
通訳「どうです?」
財前「1問も解けん」
通訳「え!?」
財前「知らない単語ばっかりだ」
通訳「ま…まずいですよ財前さん… それが解けないとビザは…」
財前「え~と…これって…どれくらいのレベルなの?」
通訳「TOEIC700点以上ですね」
財前「てめえそんなの無理に決まってんだろwww」
通訳「えええ!?」
財前「おまえふざけんなよ… そもそもTOIEC700点も取れるんだったら、わざわざイギリスなんて俺は行かねえんだよ。わかるか?」
通訳「??」
財前「TOIEC700点も取れる英語力があったらイギリスに行く必要なんてないって言ってるんだよ!」
通訳「そんな事ありませんよ」
財前「それはおまえの話だろ。おまえは英語が話せるから外国に行けばそりゃ色々勉強になるんだろうが、俺は違う。俺は何もわからないんだぜ?あいつらの言ってることが」
通訳「またまたご冗談をw」
財前「おまえまだ状況がよくわかってないようだな。いいか。俺の英語力は中学生よりも劣るんだぞ?」
通訳「…」
財前「語学学校に行ってABCから習って来いって社長に言われてるんだぞ? わかるか? TOIECとか糞食らえなんだよ」
通訳「ABCから…」
財前「英語が話せる奴には俺の気持ちなどわかるはずもないだろうがな…。なんていうか…崖から落ちる?気分だよ。正直。助かる見込みはほぼない感じ」
通訳「しかし…これが解けないとビザが…」
財前「試験なしでビザを取れる方法ってないかな」
通訳「ないですね」(キリッ)
財前「あ…そう…」
通訳「…」
財前「…」

…
財前「う~む…。困ったな…。」
通訳「…」
財前「なあ。この高度な学生VISA?じゃなくて…このさ。働いちゃいけないし配偶者も連れていけない。その上11ヶ月の滞在まで…っていうstudent visitorビザの方がテストが簡単とか言う事はないのか?」
通訳「え~とちょっと待ってくださいね。調べてみます」
財前「…」
…
通訳「あ。財前さん!!」
財前「ん?」
通訳「これ見てください。student visitorなら試験なしですよ!!」
財前「何!?マジか!!」
通訳「やりましたねww」
財前「よっしゃ~~!! って別にどうでもいいけどさ…」
通訳「え!?」
財前「別にビザが取れないなら取れないで他の奴が行けば良い話じゃん。そしたら俺別にイギリス行かなくて良くなるし」
通訳「でも今更それは」
財前「まあそうだけどさ」
通訳「でもこのstudent visitorだと奥さんは連れていけませんし、就労できませんよ?」
財前「そこが困ったところだな…就労は良いとして嫁を連れていけないのは流石にまずい」
そう。ここで困ったことが起きてしまった。ビザなんて簡単に取れると聞いていたので安心しきっていたが、それは通訳くんが留学していた時代…つまり何年も前の話で、今…というか2011年3月からビザのシステム自体が変更になってしまっていたのです。
丁度2011年の3月に変更という辺りに自分の運のなさが現れている気がしますね(笑)
正直言っていくら11ヶ月であろうと嫁を連れていかないという選択肢はありません。なぜなら私のイギリス行きが決定したときに嫁は当然ついてくる選択をしましたから今の職場をこの3月末で退職していたのです。
今更戻れるわけもありません。
そうなんです。嫁は仕事を辞めているのです。
よく言われます。会社の人からも言われたりもします。「おまえは会社に金だしてもらって海外に行けていいなあ~」と。しかしですね。それは他人ごとだから言えることなんですよ。
もし自分が行くことになったら… いいですか? そう笑ってはいられません。
特に妻子持ち。そして子供なんて持っていたら大変です。転校しなきゃならないし、英語わからないまま学校行かなきゃならないし、しかもいつ帰れるかもわからないのです。嫁も仕事をやめなきゃならない。
つまり自己犠牲を払う部分が大きすぎるわけです。
嫁が仕事を辞めることで我が家としては数百万円の収入が消えるわけですから。
本当は行きたくないし、こんなリスクあることをやりたくはなかったんですが、会社の事情もわかりますし、将来を見据えると腹を決めざるを得なかった…というのが本音ですね。
はい。そうなんです。
そうやって腹を決めて行く気も満々だったのに… こういう問題が起こってしまった。どうも通訳くんはなまじ英語ができる上に、世界各国の事を知ってるから自分の経験で物を言う所があってですね…
2月に行っておけばこんなことには… と今更悔やんでももう遅い。
今は4月1日です。学校が4月の11日から始まりますから、ビザはもう今週中には申請しないといけない。とにかく時間がない。その中で
・嫁を連れて行くビザを取るにはTOIEC700点の英語力が必要。
・この数日程度勉強した所でTOIEC700点とか無理。
・試験以外での通過は不可能
・今更後戻りはできない。
さあ…どうしますか皆さん。
この状況。11ヶ月ですよ。最悪自分一人で行けば会社的には解決します。しかしそれではあまりにも嫁が不憫ですし、子供も作る必要があるので… この11ヶ月間は結構重要なんですよ。
それに嫁もイギリスに行くモードに入っちゃってて今更「ごめん。君行けなくなっちゃったww」なんて言えるはずもない。
さあ…どうする…。 どうする…
…
…
…
…と
ここである事に気づきました。
高度な学生ビザは試験が必要。student visitorは試験が必要ない。でも嫁が連れていけない。語句を並べてみるとstudent visitorで問題があるのは嫁を連れていけないという1点のみ。他は問題ありません。
student visitorでも期間は11ヶ月行けるわけですし、就労は必要ない。
つまり私がイギリスに行くのは可能。会社の指令を守ることは可能。嫁が来れないだけ…
…

という事はつまり…逆転の発想です。配偶者という考えを改めて、私がstudent visitorを取得する。そして
嫁もstudent visitorを取得すればいいのです。
つまりこういうことです
財前…student visitorビザ取得
嫁 …student visitorビザ取得 そうです。そうなんですよ。嫁も英語はサッパリですが、テストがないならVISA取得は問題ない。
もちろんstudent visitorを取るには「語学学校に入学する」という証明が必要です。つまり嫁の分の学費も払う必要があります。私の分の学費+嫁の分の学費で2倍の学費が必要なわけです。
嫁の学費… 語学学校11ヶ月分の学費は約150万円程です。
これを会社で出してもらえれば無問題なんですが、さすがにそういうわけにはいきません。
そういう空気はないでしょう。恐らく。
ということは…
…ここは自腹で払うしかない…という事になりますかね。
言い換えると…
自腹で150万円払えば嫁をイギリスに連れて行けるって事です。
究極の選択ですね。
かなり高くつきますが、まあ…しょうがないですね。もちろん何か変な気はしますよ? 変な気はします。会社から突然命令されて
「これから英語が我社も必要になる。おまえちょっとイギリスに行って英語の勉強をしてこい。1年~3年な」
こんな事言われてですよ?
嫁は会社を辞めて、さらに自分が150万円自腹切ってイギリスに行く!?
変ですよね。なぜこんな自己犠牲を… そもそもイギリスに行かなくて日本で普通に仕事してれば何の問題もなかったわけで…。
というのが冒頭の話に繋がってきます。私もこれまで人生経験を積んできて思ったんですけど、色々な話には必ず裏があってですね。一見凄そうに見える話も実は当事者にとってはそうじゃないんですよ。
会社から命令されてイギリスに勉強に行くというのは確かに聞こえは良いです。それは将来を有望されてるって事でもありますし、それだけ期待されてるって事でもあります。
でもその裏腹にやっぱり自己犠牲を払う部分というのはかなりの部分があったりするわけですよ。
それに将来を考えてもこれってつまり… 将来的には世界を飛び回らなきゃならないことが確定でしょう?
そんなの体が持つわけ… って不安もありますしね。そもそも私が英語をしゃべれるようになる保証もないわけですから。なったらなったで今日はUSA、明日はインド、明後日はイギリス…UAE 書けば聞こえは良いですが、果たしてそんな仕事って楽しい物なんでしょうか。
私の趣味、喜びは世界旅行とか世界を股にかけた男になる事じゃなくて「引き篭もってずっとゲームする事」なんですよ…
…とまあそれは置いておきましょう。
とは言いつつも英語がしゃべれるようになったらなったで私にも利点は多々あるわけです。
ゲームやインターネットが趣味の私には特に利点が多いかもしれない。英語がしゃべれたり聞けたりしたら私は完全に勝ち組です。
例えば英語がわかったら
・オブリビオン英語版がプレイ可能。FALLOUT3が英語でプレイ可能
・インターネットで英語が読めるので快適になりすぎる。
・最近大人気の海外ゲームをそのままプレイできる
・XBOXのゲームの日本語版を待つ必要がない。
・海外のゲームサイトを見て楽しめる。
・海外のサッカー雑誌をそのまま読むことが出来る。
・ニコニコ動画に翻訳プレイ動画を上げられる。
・XBOXLIVEで外人と話しながら対戦ができる。
・海外の映画を吹き替えなしで見ることができる
・なんか英語ができたらスナックとか夜の女の子にモテそう
・英字新聞を出せば女性の視線を釘付けに。
・ブログ執筆で英語と日本語の二刀流が可能
どうでしょう。完全に勝ち組でしょうこれ。老後の引き篭もり生活充実の要素が満載です。
上記はゲームの事しか関係してませんがいいんです。別に
とんかくゲームとインターネットが趣味の私にとって英語が聞けるというのはこの上なく大きなアドバンテージになるんですよ。
仕事!?知りませんよ。そんなの。
英語は結果的に仕事の訳にも立つかもですが、どちらかと言えば私に取ってはゲームに対する比重のほうが圧倒的に大きいですよね。GOW3が英語版のままできる… オブリビオン5が英語のままできる… YOTUBEの動画を全部理解できる… 洋楽の歌詞がすべて理解できる…

う~む…
150万円… 払う価値があるかもしれない…。
嫁…趣味…老後…エロ… 英語が話せればすべてが違ってくるかもしれない。
…
はい。ここからもわかりますね。
結局こうなんですよね。なんだかんだで仕事だけじゃ人間生きて行けないんですよ。趣味がないと趣味が。そういうのが今回のイギリスに行く件でよくわかりました。
恐らく英語が私の普段の生活にとってまったく不必要なものなら…
それが仕事だけで必要なものだとしたら…
この申し出は断っていたかもしれません。断れなかったにしても嫁はもしかして日本に残してきたかもしれません。
でもこの英語が読めるというアドバンテージはやっぱり大きいですよね。ゲーマーとしては…。
翌日…
という事で通訳くんに相談。
財前「おい。良いことを考えたよ」
通訳「どうしたんです?」
財前「昨日の件さ。ビザの件で妙案が浮かんだ」
通訳「え?本当に!?」
財前「こういうのは可能かな。つまりな?俺が無試験でstudent visitorを取るだろ?」
通訳「はい。」
財前「同時に嫁もstudent visitorを取ってイギリスに入国するって寸法よ」
通訳「ん? ああああ!!」
財前「?」
通訳「その手がありましかww」
財前「な?こうすりゃバッチリよ」
通訳「いやあ。よくそんなの思いつきましたね」
財前「お?てことは…この案で行けるのか?」
通訳「なるほどですねえ良い案です」
財前「フフフ。そうだろう。そうだろう」
通訳「しかしstudent visitorを取得するには語学学校にその期間通うって証明が必要ですよ?」
財前「わかってるよ」
通訳「てことは…」
財前「ああ。」
通訳「奥さんの学校の費用はどうするおつもりです?まさかそれを会社で…」
財前「いや。それはこっちで払うことにする。心配ない」
通訳「マジっすか!? 11ヶ月だと150万円くらいしますよ?」
財前「承知の上だ」
通訳「財前さん…そこまでしてあなた…」
財前「…」
通訳「やっぱりあなた奥さんを愛してるんですね」
…
財前「ぇ…?」
通訳「??」
財前「あ。あ…ああ。ま…まあ…そうなるかな」
通訳「いい話だ;;」
財前「ははは…」
通訳「見直しましたよ;;」
財前「お…おまえ俺を今までどういう男だと…」
通訳「でもいよいよ道が見えてきましたね! 僕も財前さんに会えなくなると寂しくなります」
財前「ハハハ。まあ君も良き妻子を見つけたまえ。え~と…。君趣味はなんだっけ?」
通訳「もちサッカーですよ。サッカーをプレイすることです」
財前「あ~…そういうタイプかおまえ。社会人になって運動が好きとか未だに言ってる奴ってどうもイケ好かねえんだよなあ」
通訳「え?なんでです?」
財前「格好つけてんじゃねえよって感じ。それに…」
通訳「ええええ!?」
財前「そんなの年取ったら終わりじゃん。一人でできないし。」
通訳「まあそうなんですけど…でも他にやることと言っても釣りとかパチンコくらいしか…」
財前「まあおまえがそれで良いんならいいけどな。君も良き趣味を見つけたまえ」
通訳「はあ…」
財前「ゲームの事なら教えてやらんでもないがな」
通訳「ど…どういう意味です?」
財前「もういいよ。それでビザの申請は今日しなきゃなんだろ?何を用意すればいいんだ?」
通訳「ああ。必要なものはこれらです」
そういって見せてもらったリストには様々な物が書かれてあった。
student visitor申請に必要な書類(私の場合のケース)
・年収を証明できる書類 給料明細等(自分もしくは親に十分な収入があるか)
・貯金通帳、残高証明 (貯金が十分にあるかどうかの証明)
・大学卒業証明書 (これまでの学歴の証明)
・イギリスで住む場所 (住所)
・通う語学学校の入学証明書
・これまで取得したパスポートすべて (過去の文含む)
・イギリス⇔日本往復の航空券
・あなたの人間性を証明する推薦状(ビジネスレター)
・会社があなたにその期間有給、休職を与えるという証明書
航空券の往復券が必要なのはVISAの関係。税関で審査受けるときに往復券がないと怪しまれたりトラブルがあったりするようです。
あとは英語の大学卒業証明書に過去取得したすべてのパスポート…。
この中でネックとなりそうだったのが貯金通帳。どうも残高的に300万円以上はないと駄目ならしい。それはやっぱり犯罪者や浮浪者を入国させたくないというイギリス側の意思の表れだろうけど(そもそも犯罪を犯すのはお金のない人の確率が高い)これって酷いですよね。
もし…もしですよ?
もし車を買ってたりしたら? もし家を買ってたりしたら?
いくら貯金があったとしてもその時は0に近い金額の貯金しかないかもしれない。
その時丁度VISAの申請とぶつかってたら…
これは危ない…
決してあり得ない話じゃない。多分貯金残高がないと危険人物とみなされ、ビザは許可されない。
そう考えると恐ろしい…。そもそも「貯金額が足りなかったからイギリスいけませんでしたww」なんて事になったら社内で良い笑われ者です。それにですね。給料明細というのも凄いですよ。
年収が低かったら入国させてもらえないって事になるわけで…
「年収が低すぎてビザが下りませんでした;;」とかそんな恥ずかしい事、誰にも言えませんよ(笑)
もちろんすべての書類を翻訳する必要があります。これを審査するのは日本人ではなく、外国人なので… 詳しくはこちらを参照してみてください。
UK Border Agency supporting documents guidance とりあえず銀行や会社の受付などを駆使してすべての書類を集め、通訳くんに通訳を依頼。その書類を持って翌日、東京にあるビザ申請センターへ行きました…
…と書くのは簡単ですが。忘れてはいけません。今は4月。もちろんまだ私はイギリスに行ってません。この時まだまだ仕事に追われている日々なのでビザの申請で東京に行くという時間がなかなか取れない状況だったのです。
それもそのはず。3月末~4月というのは採用試験真っ只中。さらにいうと日本は通常の状態ではなくて…
3月11日に未曽有の震災が起こってからも私は盛岡や秋田、鹿児島、宇都宮辺りを出張してましたから心身ともに疲労困憊だったんですよ。
2月後半くらいからは本当に殺人的なスケジュールで…
当時私的なブログを書かなかったのもそれが大きく影響してます。
地震が起こってからも出張は続けていたので、実際に現地に行って被災現場を見たりもしましたし、秋田経由で盛岡に移動してたりもしたわけですから、その時の状況は今でも痛いほど脳裏に残ってます。
そんな中で自分の日記なんて書けるわけありませんよね。
個人的な事を書くなんて不謹慎きわまりないと自分では思っていました。あの光景を見ると…。
まあしかしそんな状況下でも仕事はしなきゃいけませんし、VISAの申請もちゃんとしなきゃいけない所が社会人の辛いところなんですね。でも日本がこんな中でもビザ申請センターはちゃんと仕事してくれてるから助かるってのもあるんですけどね。
ビザ申請センターに行ってみるとその人の多さに驚きました。
留学とかビザ取る人なんてほんの一握りだろう?って思ってましたけど、平日にも関わらずVISA申請センターには多くの人。こんなに留学する人って多かったのかとシミジミ。
もちろんほとんどが学生です。話しかけられるはずがない。
…
しかしその中に一人…20代後半くらいの男がいます。自分と同じ年代の人だけに「スッ」と親近感が湧きます。もしかしてこの人も会社の指示で海外に勉強に行く人じゃなかろうか?
勇気を持って話しかけてみる
財前「あの…すいません」
男「はい」
財前「あなたも留学を?」
男「そうです」
財前「そうですか。実は私も何です」
男「学生さんですか?」
財前「とんでもない。会社の指示で行かされる身で…」
男「おお。私と同じですねw」
財前「そうでしたか」 (やはり…)
実はこの会話を書いたのは理由があります。この人は会社の指示でビザを取得し、英語を勉強中みたいですが、実はかれこれ6年以上海外に滞在しているみたいです。
本当の意味でワールドワイドなサラリーマンなわけです。
つまり私とは英語のレベルも何もかもが違うわけですが、ここで興味深い話を聞いたんですよ。これには私…目から鱗でした。衝撃を受けましたよ。
英語の事についてなんですけど、日本にいたら英語って普段使わないじゃないですか。日常生活は日本語で十分だから英語の必要性をわかっていつつも英語の必要性を心の底からは感じていない。
英語の教材を買ってもすぐに辞めますよね? 笑ってギャグにしますよね?
そりゃそうです。追い詰められていないわけですから。日本語使えばいいわけですし。
しかしですね。
世界から見ると…というか世界の状況で考えると「
今現在、英語ができないということ自体既に追い詰められている状態」のようです。
例えば他の国々でグローバルで仕事をしようとしている人たちは英語がペラペラ。
日本人のビジネスマンだけがしゃべれないみたいです。
ここ重要ですよ? 日本人のビジネスマンだけが英語をしゃべれない。
これは本にも書いてましたが、CNNのインタビュー、これは様々な国の人にインタビューが行われるわけですが世界に放映されても、英語のテロップのが入るのは日本での該当取材だけみたいです。
それにどこの国でも英語のインタビューは英語で答えてるみたいなんですけど、
日本人だけが英語で答えてないみたいなんですよ。

驚愕の事実だとは思いませんか。
30年前、世界会議では同時通訳が聞けるイヤホンが会議室の席には用意されていたみたいです。みんな英語がわからないから同時通訳の音声を頼ってたんですね?
でも今現在。
あれから30年… 2011年。
同時通訳のイヤホンを耳に当てるのは…なんと日本人だけのようです…。
私もこの事は知りませんでしたけど、知ってみると驚愕です。
まあこれ。私はこの男の人に勧められた本を読んで色々勉強になった事なんですけど、今やグローバルグローバルと言って日本の中小企業も英語ができなきゃ話しにならないわけですけど、実際問題として日本は英語に関してはかなり遅れてるって事みたいですね。
他の国々のビジネスマンは今や英語が話せるのは当たり前で、今は英語が話せるってことに焦点は当たらず(もはや当たり前)、何か国語がしゃべれるかって事に焦点が当たるみたいです。
まあ…そりゃそうですよね…
私たちが世界旅行した場合って英語なら通じるって思ってるじゃないですか。
世界のどの国でも英語ならコミュニケーションが取れるって…。みんなそう思ってますよね?私たちも。
実際そうなんですけど、先進国である日本はどうでしょう?意外な盲点です。
例えば世界から日本に旅行に来た人が英語で日本人に質問して通じるかというと…
…微妙。
って事です。これには多くの外国人が唖然とするみたいですよ(笑)。先進国で英語が通じない国があったのか!!って。日本って意外と色々な国々で有名ですからね…。
まあ余談でした…けど、ビザの申請センターでこの男の人と話しててちょっと目が覚めたんですよね。英語はしゃべれないが当たり前じゃなくて…しゃべれないと駄目なんだって事に。
日本にいるとわかり辛い事ではありますけど。
まあこの答えは今この場所で聞かなくても語学学校に行ったら初日から痛いほどわかった事なのでアレですが、英語を勉強する前に感覚…というか、世界の常識…みたいなのに頭を修正してくれたのは大きかったかもしれません。
そして私はビザを申請。インフォメーションの人から結果は2週間後くらいに返ってくると告げられました。
ここで一つ疑問が…
審査の結果は2週間後に返ってくる…
審査の結果…
え?審査!? 合否あるの?
おわかりでしょうか…。審査の結果って… もしかして落ちることもあり得るわけ?って不安になりませんか!?
調べてみるとそれが実際あるみたいだから怖い…。
これは年収、預金残高…そして様々な書類に変な意図…というかおかしいところがあったら申請が降りないみたいなんですよ。無茶苦茶ですよね…。
もちろん学生さんの場合は大丈夫ですよ。学校が推薦してるんですから。留学とか。
しかしですね。私は違います。私とか怪しすぎるんですよ。
「会社が私に英語勉強して来いと命令。仕事はしない。勉強だけ。1年は有給を与える。以上」
現地に法人はない。おかしいっすよ…。これ。第三者が見たら絶対におかしい…。

おまえ誰だよって話です。
そんな都合の良い話があるのかって話ですよね。
でも私の力ではどうしようもないので一抹の不安を覚えながらも徳島に帰着し、2週間後の結果を待つだけとなったところでイギリスに行った後の事を計画することにしました。
しかし…
通訳くんが言うには、語学学校開始は4月の11日。今日は4月2日。ビザの申請に2週間かかるとなると学校開始に間に合いません。つまり…まあ多少は遅れるにしてもビザが降りたらその日に出発する事が必要だと。
なんて残酷な奴なんでしょうか。
私は結果を待つ身ですよ。ビザの申請の結果を不安な心で待つ身。ここ数カ月はイギリスの件と採用試験、その他仕事ETCで疲労困憊。
「普通イギリス行く前とか休みもらえるだろ…」
それなのにですよ? ビザが家に届いたらその日に行けとか酷すぎです。心の準備もあったもんじゃない。でも通訳くんの言うことは正論でうまく返せない。
通訳「ビザが家に届いたらその日に航空券を予約してその日に成田に向かってくださいね」
財前「おいおい。そんなの無理だろ。お別れの挨拶とかもあるんだぜ?」
通訳「今済ませてください」
財前「しかしな…いまお別れの挨拶ったって…ビザが合格するかどうかもわからないんだぞ!?」
通訳「はい」
財前「はいって…もし不合格だったら…お別れの挨拶した俺が馬鹿みたいじゃん」
通訳「しかしビザ申請に2週間かかると学校への入学が遅れます」
財前「わかってるよ」
通訳「学校はあなたを待ってくれませんよ。財前さんが学校に行くのが1日、2日、3日と遅れたとしますよね?」
財前「あ…ああ」
通訳「そうするとあなたの英語の貴重な授業が1個、2個、3個と消えて行くんです」
財前「…」
通訳「失った授業はもう受けることはできません」
財前「…」
通訳「1日でも授業を無駄にするのは勿体無いと思いませんか?」
財前「ま…まあ…そうだけどさ」
通訳「じゃあ心を決めてください」
財前「あ…ああ…」
さすがに言い返せず…。しかしビザが届いてその日に往復の航空券を取るとか果たして可能なんだろうか?海外の飛行機ってそんな簡単に取れなかった気が…
財前「え~とさ…ビザが届いたら航空券は通訳くんが…取ってくれるんだよね?」
通訳「残念ながら。私明後日から出張でいないんですよ」
財前「え?マジで!?」
通訳「すいません。お役に立てなくて」
財前「お…おい。ちょっと待てよ。おまえがいないと…俺まだイギリスの家の住所とか学校の住所とか…」
通訳「はい。これがその住所です」
財前「はいってそんな簡単に…」
通訳「それでわかるでしょう?」
財前「こんなんでわかるわきゃねえだろ!! 地図とかそういうのは?それに部屋の鍵は?」
通訳「部屋の鍵は現地のエージェントが持ってます。そちらから受け取ってください」
財前「エージェントってどこにいるの…?」
通訳「それはまたメールします」
財前「…なあ。お前のその出張って大切なのか?延期できないの?」
通訳「無理…でしょうね。財前さんあなたインターネット得意なんでしょう? 住所や地図はGOOGLEMAPで調べればいいでしょう」
財前「え…GOOGLE MAP…」
通訳「ほら。こうやって住所を撃ちこめばイギリスの近隣地図が出ますよ」
財前「あ…ホントだ。凄いなあ。世界の地図も見れるんだね。GOOGLEって」
通訳「そんな事も知らなかったんですか?」
財前「うるせえな…」
通訳「航空券の予約はネットで行ってください」
財前「え?ネットで…」
通訳「それなら当日予約が可能ですし、オンラインチェックインもできますから」
財前「ちょ…ネットで海外の航空券を予約するの!?」
通訳「そうですよ?」
財前「いや…ちょっと待ってよ…。それはちょっっと不安だよ…。間違えてイランとかリビアとか行ったらどうするのよ…。やっぱり面等向かって人と話してチケットは取らないと…」
通訳「財前さんあなた本当にインターネットが得意なんですか?」
財前「いや…その…チケットとか旅行とかそういう系はあんまり…」
通訳「とにかく。私は他の仕事もありますし、財前さんだけに時間を取られるわけにもいかないので…これで」
財前「あ…おい…」
この日は非常に連れない通訳君。
後で聞いたら、会社が私に開いてくれるお別れ会に誘われなかった事を怒っていたらしい。
でもこれは勘違い。彼は誘われなかったと思っかもしれないが、それは受付の子が通訳くんは出張だからと気を使って言わなかっただけ…。
それに私は別にお別れ会のメンバーを決めてない。決めたのは受付の子だし、企画したのも別の人だし…
私は関係ないのに…
…
困った。海外の事を社内で知ってるのはこの通訳くんのみ。後の人は聞くだけ無駄。
そんな貴重な通訳くんを失い、ネットで海外航空券を予約しろとか… GOOGLEMAPで海外の地図を見て学校、そして自分の家に行けとか…
こんなイジメがあるだろうか。
そもそもイギリスに行けといったのは会社なのになんで自分で全部しなきゃいけないのだろうか…

…
そして4月16日… 早朝…
私の家にビザが届いた。滞在期間はキッチリ11ヶ月。パスポートにしっかりと印字されている。間違いない。これはビザだ…。
そして… student visitorが降りたら降りたでホッとしたのも束の間…
まだ心の準備ができてないまま通訳くんのあの言葉が胸に突き刺さる…
そう…
出発は今日だ。待ったなし。今日なのだ。
私は早速会社に出発。 上司や部下に「今日出発します」と告げて混乱を招いた後、即効でPCを開き、海外航空券の予約にとりかかりました。
海外航空券… もちろん取るのはANAかJALだ。
特に私はJALの航空券に恩恵が大きい。飛行機は年間で出張などでかなり乗るから結構ステイタスの高いカードを持っていて、結構色々な面で優遇されるし、スチュワーデスからも特別扱いを受けられるのです。外国などの勝手の悪い国ではこのカードが大いに威力を発揮する。
そしてJALのホームページに行ってみると…
あったあった。予約のコーナー。
クリックしていくとイギリス、ヒースローという表記。
「フ…なんだ…。やってみると案外簡単じゃねえか。クリックするだけかよ」
どうやら今日出発の便は間に合わないようなので明日出発の便を取る。つまり行きは4月の18日。しかしどうせ東京の前日に入っておく必要はあるので、どっちにしても今日徳島を離れなければならない。
さらば徳島。さらばみんな…
そう思いながらもネット予約を進めていく…。次は帰りの日の決定だ。実はstudent visitorの場合は行きの航空券だけでは駄目。なぜなら11ヶ月という期間が決められているから帰りの便の航空券も取っておかないと税関で引っかかる可能性があるのです。
帰りは慎重に決定。やっかりこういうのはネットは怖い。確認が自分でしかできないから…
慎重に2012年の3月を選ぶ。
間違えるな財前。2013年じゃないぞ…2012年だ。2011年でもないぞ…
心に自問自答しながら進めていく… そしていよいよ決定の時が…
ついに予約が…
…とその時私はとんでもない物を目にする。とんでもない物とはその金額だ。
4月の18日出発。帰りは3月。その航空券をJALのネットで問い合わせると表示された金額はなんと…
84万8000円
工工エエエエエェェ(´д`)ェェエエエエエ工工
おま…84万って… 正気かよwwwww
語学学校の年間授業料と変わらねえじゃねえかwww
相場は往復で30万円程度のはずだぞ!?
いや…まて。間違えたんだこれは。間違えたんだ。そうだ。そうに決まってる。おちつけ財前。もちつけ。
もう一度やるんだ。もう一度最初からやってみるんだ。
フフフ… これだからネットは恐ろしい…。 84万ねんなんてありっこないのさ
いや… 正確には… ありっこないって思ってた。 その時は
イギリス往復が84万円もするだなんて…
そう。そうなのだ。なんどもチェックしてクリックした結果。再度画面に現れた数字は…
84万8000円
同じじゃねえかよ…
そう。これはANAでもJALでも同じだったのだ。それ故に私はさらに確信を深めることになった。つまりこの値段なのだ…この値段が世界なのだ…と。
笑えてくる…。出発は今日。今日徳島を発たなければならない。しかしこの航空券の金額を会社にどう伺いしろと!?
こんな金額を上司に請求できるわけがない…
…
…
そうだ!! そうだった。やはりネットが悪いんだ。別にネットで取らなくても良いじゃないか。私にはこのJALステイタスカードがある。この番号を入力して電話したら直接オペレーターに繋がるじゃないか。
フフフ。やはり最後は人と人との繋がりってわけか。
そしてJALに電話。これまでの経緯を話す。
財前「お得意様番号45○5 4568です」
JAL「いつもありがとうございます」
財前「イギリスの往復チケットが取りたいんだけどいいかな」
JAL「はい財前様」
財前「それがさ…急な話で明日のなんだけど大丈夫?」
JAL「はい。可能でございます」
財前「マジで?いや~助かるなあw」
JAL「期間はいつからいつまででございますか?」
財前「え~とね。明日出発で帰りは来年の3月」
JAL「は?」
財前「明日出発で帰りは来年の3月」
JAL「あの…財前様。お帰りは来年の3月でございますか?」
財前「そうだよ」
JAL「その場合は半年以上の滞在ですのでVISAが必要になりますがご存知ですか?」
財前「VISA?VISAならここにあるよ」
JAL「さようでございますか。それならば了解いたしました。しかしながら半年を超える予約は金額が高額になってしまいますが…」
財前「え…」
JAL「計算しましたところ84万…。1年先の予約を抑えるのには割引がすべて消えてしまいますので…」
財前「やっぱり…」
JAL「どうなさいますか?」
財前「1年先の予約を抑えるのにそんなにお金がかかるの?なんとかならないかな」
JAL「残念ながらこの金額以外でのご提示は…」
財前「そうですか。わかりました…」
ガチャ…
困った…困った事になったぞ。これは。

まさか本当に84万円もするだなんて… これをどうやって上司に…
上司もまさか「行くな」とは言わないとは思うが、この金額はさすがに即答はできないはずだから出発を遅れることは覚悟しないといけないかもしれない。
通訳め… あいつまさかこの事を知ってたんじゃないだろうな…
…
しかしここで通訳が言っていたことを思い出す。
「財前さん。あなたインターネットよくやってるんでしょう?」
…
一応ダメ元で検索。VISA 1年 イギリス往復 などなど。するとある情報が目についた。そう。国際航空券の1年後の予約は高いという私と同じ状況の話だ。
しかし1年後の予約でも安く取れる方法があるという。それは…JAL、ANAのような日本の利権に縛られた航空会社ではなく…海外の航空会社で取る事だという。
イギリスならイギリス航空のブリティッシュエアラインが良いとのこと。
ほう… 早速ブリティッシュエアラインに飛ぶ。すると…
こんなサイトが目の前に現れた。
これは…
http://www.britishairways.com/travel/home/public/ja_jp …
その情報は確かだった。日本の航空会社だと84万円もする1年後の往復チケットが…ブリティッシュエアラインだと…なんと23万円だった…
なんというふざけた世界でしょうか。
ANA、JALで取ると84万円。ブリティッシュエアラインで取ると23万円って…。60万円の差額は一体どこから…
とそういう話は色々大人の事情もあるから置いておいて…
早速23万円の航空券の伺いを会社に立てると当然ながら一発OK。
それどころかこれまでの経緯を話すとヒーローのような扱いをされた(笑)。そりゃそうである。60万円も安くなったのだから。
というより結構…航空券の件は部下を含めて「高けえw なんだこれボッタクリじゃねえか!」とか社内でワーワー騒いでたから上司の耳にもこれまでの経緯の話が入ってたらしい…。
そして…
皆に別れを充分に言えないまま…そのまま東京へと向かうため徳島空港へと出発。
もちろん1年以上返って来れないので自分の車では行けない。 当然嫁の車で…
なんか本当に寂しい出発。
何もかもが急だ。何か忘れ物はないだろうか? 向こうに着いたら寝床すらありつけない可能性も…
果たして…
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