30
January
February
March
April
May
June
July
August
September
October
November
December
2009(Fri) 10/30
大学時代回想22 …3年後に明かされた真実(80)
回想1 「一楽木工」から見ないと意味がわからない箇所がある点はご容赦ください。
defined
2011/09/21 大学時代回想23 強くは儚い ろくでなし
09/10/30 大学時代回想21 3年後に明かされた真実 (コメント --)
09/10/29 大学時代回想21 縁結びという名の目くらまし (コメント 73)
09/10/26 大学時代回想20 かたはらいたし 激震の鎌倉 (コメント 87)
09/10/23 大学時代回想19 甘い運命をお膳立てしましょう (コメント80)
09/02/18 大学時代回想18 何年経っても変われない男の…末路 (コメント63)
09/02/16 大学時代回想17 恋の脳内麻薬の作用と副作用? (コメント41)
09/02/10 大学時代回想16 情けねぇ男二人の友情 (コメント67)
08/07/30 大学時代回想15 帰れない者達 (コメント96)
08/07/25 大学時代回想14 マグナム砲の覚醒 (コメント62)
08/07/20 大学時代回想13 友情と恋愛(ノリ編) (コメント49)
08/07/18 大学時代回想12 動き始めた思惑 (コメント68)
08/03/25 大学時代回想11 無駄が必然に変わった日 (コメント69)
08/03/13 大学時代回想10 阿鼻叫喚の魅力 (コメント71)
08/03/11 大学時代回想9 ホッケー女のイメチェン文化祭 (コメント33)
07/12/03 大学時代回想8 友情と恋愛 (コメント91)
07/11/27 大学時代回想7 研究室所属 (コメント57)
07/11/22 大学時代回想6 社会人の鏡 (コメント59)
07/11/19 大学時代回想5 バイク免許所得の先に… (コメント49)
07/11/13 大学時代回想4 ストーカー財前 (コメント192)
05/10/04 大学時代回想3 リリカの再来 (コメント11)
05/09/17 大学時代回想2 4月応援団 (コメント13)
05/09/16 高校時代回想1 一楽木工 (コメント24)
さて。
ここからは研究室の話に移るので
まずは研究室とはなんぞや?というところから説明しておこう。
大学の研究室というのは学生にとって卒業論文を書くための場所だ。東京農業大学は1学科に250名以上の学生がおり、ここから6~10ある研究室に各学生が所属していく。(3年生時) 研究室の人数は1学年で20~30名になる。
そして研究室に所属した学生はそれぞれに卒業論文のテーマを与えられる。
卒業論文を行うに当たっては大概が2~4人のチームを組む。
私たちの場合はエコハウスという暖房器具などを一切使わないビニールハウスを利用した栽培を確立するというテーマを与えられている。
昼間の熱をあるものに吸収させ、これを夜に排出する仕組みを利用し、内部を2重構造にして保温性を保つ。実質経費は水代金だけだ。(→ 大学時代回想8 友情と恋愛)
もう一度エコハウス班、そして研究室のメンバーを説明。

研究室のメンバー
①頼れない相棒 ノリ
②強気でボーイッシュ ホッケー
③研究室の幹事 カネダ 他、後輩も含め研究室メンバーはあと15名ほど存在する。
研究室(エコハウス班)
①直子が大好き 賢治くん
②賢治に興味がない 直子さん
③顔は綺麗だがキレると恐い エリさん
④誰もが知ってるストーカー 財前くん
ちなみに卒業論文の活動と言っても実はやることはそんなに大した事はない。要はエコハウスで育てたトマトやキュウリの発育測定。ゆえに水やりと日々の日常管理をするだけ。
そして最終的に
対象区 暖房、冷房完備の従来の大量生産型ハウス栽培
ECO区 地球環境に考慮した自然を利用した未来のハウス栽培
この2つの生産性の比較する。当然ながらECO区の方が当然生産性は対象区に比べて劣る。但し、経費はECO区の方が当然低いので両方の総経費で見て採算が取れればOKという考え方。
この回想だけ見れば私は遊んでるだけのように認識されてしまうと思うが、実際大学に行く目的が水やりと発育測定、日常点検なんだから、こういうのはキチンとやっている。
学生の卒業論文と言えど、研究題材自体は研究室の教授の評価に関係するから適当にするわけにはいかない。
大学教授側からすると、これは学会に発表する題材として権威に関係するだろうし、担当するのが助教授だったりすると教授昇進に関わる大切な研究になったりもする。
決して、学生が卒業するためだけの題材というわけでないのが難しい所だ。
ゆえに学生側は責任はないにしても真剣に実験に取り組む必要がある。

しかしながら実情は…
学生にとって卒業論文、実験というのはあくまでも大学生活の一環。
研究室活動の中で大きな比重を占めるのは結局は研究室メンバーとの飲み会やイベント、文化祭(収穫祭)、他研究室との交流、そして恋愛ということになる。
学会の事なんて考えないし、教授や大学の立場を考えた実験などをするわけはない。
だからこそ権威ある大学は、入学のための試験、偏差値を設け、高度な研究意欲や勉学に強い関心がある優秀な学生を求めようとするのかもしれない。
もともと優秀な学生であれば当然ながら行う実験も高度で優秀なものになるはずだし、結果も自ずとついてくるはずだからである。
まあしかし。そうは言ってもどこの大学も真剣に実験に取り組むのは大学院生くらいだとは思うが…
亜美さんとの件が一段落した私は、しばらくは亜美さんの事は置いておいて、そんな研究室にどっぷりと浸かろうと決意したのだが、現実は…
カネダ「お~い財前」
財前「ん?」

研究室の実験に精を出しはじめて数日のある日
幹事のカネダに呼び止められる。
カネダというのは我が野菜研究室の幹事。幹事というのは部活で言うと研究室の主将、キャプテン的な位置づけ。もちろん同学年。基本的な役割は「他研究室との交流」や「イベントの企画」、「研究室活動のとりまとめ」って事になる。

身長が187cmもある巨人なので、迫力抜群。研究室内でも逆らう奴はほとんどいない。怒ったときは恐ろしく恐いのだ。
幸い私は彼と同じくらいの身長があるので迫力で圧倒されることはないものの…
根本的に骨格の太さが段違いなので喧嘩したら確実に負ける事くらいは察知できる(笑)まあしかし。彼は温厚な性格なので対立することは「ほぼない」わけだが。
カネダ「作業終わったら作物学研究室に一緒に行ける?」
財前「作物学研究室… なぜ?」
カネダ「今日、作物学研究室で納会(飲み会)なんだって」
財前「ああ。そうなのか…」
カネダ「おまえ。いつものように余興担当で挨拶兼ねて行って来てくれ」
財前「作物学研究室か~…」
カネダ「じゃあ頼むよ」
財前「…」
納会というのは個々の研究室が行う飲み会。基本的にその研究室全員が参加する打ち上げみたいなものだ。作物研究室の方は学会か何かが終わった?から納会をするんだろう。
この納会。
実は内部だけでなく、他の研究室との交流も目的のひとつで、農学科にある10個の研究室から幹事と副幹事が招かれるのが通例となっている。
各研究室から招かれた幹事は寸志(酒)を持ってその研究室を伺い、副幹事はエールを切ったり余興したりしてその納会を盛り上げる。
私の研究室の場合は、幹事のカネダが酒を持っていって挨拶、次に副幹事である私がエールを切って、気の利いたスピーチをして納会を盛り上げるという役割分担になっている。
エールっていうのは「フレ~~ フレ~~~ 作物学研究室!!!」
ってやつ。
一応1年の時に応援団に所属していたので、私のエールは意外に好評だったりする。
なんか体育会系のノリがバリバリだけども、元来東京農大というのは農業系の大学な訳だから当然と言えば当然なのだ。
私もこういう余興や挨拶などの役回りは嫌いじゃないから副幹事を引き受けているものの…
他の8つの研究室に行くのはいいけど
作物学研究室だけは気が乗らない。
なぜなら作物学には…
チズエさんがいるからだ。

そう。あのチズエさんだ。
花の都。東京の大学で女と遊びまくるつもりで飛び込んだ大学1年の私が一目惚れした超美人の女の子。
その後チズエさんの勝手な勘違いから私はストーカーと勘違いされ、その噂が噂を呼びいつの間にか大学全体に「ストーカー財前」という認識が広まらせ、私に多大なる被害、迷惑を与えた張本人だ。
もっとも…ここまで話が大きくなったのはチズエさんというより、口うるさいホッケーが言いふらしたからなのだが…。まあホッケーはチズエさんとは非常に仲が良かったからしょうがないのかもしれない。
もちろん向うはもう今や気にしていないのかも知れない。
しかしあの時の傷は今も私の胸を大きくエグッている。
そりゃそうである。ここは大学。私の過去を知っている者は誰もいない。高校時代の知り合いもいない。0からだ。0から人間関係を構築していく場所だったのだ。
それがいきなりストーカー。
あり得ない。まあ今は私が地道に友達づくりに励んだ甲斐もあって、大学にいる主要な人にはこの誤解は解けているものの、何しろ250人もいるので全員には無理だ。
つまりまだストーカーというイメージを持ってる人は多いのである。
その総本山と言えるべき場所が作物学研究室なのである。
そこにはチズエさん本人がいるのだから当然だ。エールやスピーチも作物学研究室では非常にやりにくい…。ネタにされてネタにされて…。
しかしまあカネダだけ行かすのもかわいそうなので…。
…
…
カネダ「じゃあ財前行こうか」

財前「あ…ああ」
カネダ「もう忘れろよ。過去の事は」
財前「…」
カネダ「じゃあ俺はいつもの如く寸志渡したら帰るから後はよろしくね」
財前「ああ。」
作物学研究室に着くと案の定チズエさんがいた。
そして他総勢20数名の研究室員から注目を浴びる。 ん?…どうやら果樹学研究室やハーベスト研究室の面々は先に来てもう挨拶を済ませているようだ。
作物学の幹事「ハイ。注目~。ちゅうも~く。野菜学研究室のカネダさんと財前さんが来てくれました~」
作物学の院生「わ~パチパチパチ」
カネダ「いつもお世話になっています。お酒持ってきたので皆さんでどうぞ」
作物学の院生「わ~。パチパチパチ」
作物学の幹事「それではカネダさんに駆付け一杯お願いしましょ~」
作物学の院生「わ~。パチパチパチ」
カネダ「…。ゴクゴク… プハッ。 ありがとうございます!!」
作物学の院生「わ~。パチパチパチ」
カネダ「では私はこれで失礼~。後はうちの副幹事がやりますので」
作物学の院生「カネダさんお疲れ様~パチパチ」
出番が回ってきた…。やだなあ…。
財前「おばんでがす。財前です」
作物学の幹事「お待たせしました。皆さん。財前くんですよ~」
作物学の院生「アッハッハ。パチパチパチパチ」
作物学の幹事「財前くんは数々の噂をお持ちですが、最近のストーキング状況はどうですか?」
財前「はい。目標をロックオン間近であります!」
作物学の院生「アッハッハ。パチパチパチパチ」
作物学の幹事「えええ!? もううちの研究室のメンバーをロックオンするのはやめてくださいよw!?」
財前「それは私の下半身に聞いて下さい」
作物学の院生「アッハッハ。パチパチパチパチ」
作物学の幹事「では過去のストーキングの懺悔もかねて駆付け5杯お願いします!!」
財前「ご…五杯!? しかもこれ日本…酒」
作物学の幹事「財前が飲む~ぞ♪財前が飲む~ぞ財前が飲む~~ぞ~♪ 5秒で飲むぞ!! ハイ。」
財前「ご…五秒で??」
作物学の幹事「ハイ。5…4…3…」

ゴクゴク… ゴクゴク… ゴクゴク… ゴクゴク… ゴクゴク…
作物学の幹事「ハイ。5杯飲みましたが? ハイ。遅いコール!!遅~い!!遅~い!!」
作物学の院生「遅~い!!♪ 遅~い!!♪」
財前「…」
ゴクゴク…
作物学の幹事「ハイ。お見事~。しかし?? 財前くんの? もっといいとこ見てみたい~♪」
作物学の院生「アッハッハ。パチパチパチパチ」
作物学の幹事「ハイもう5杯!! もう5杯!!」
財前「!?」
作物学の幹事「注ぐのはやはりこの人~ チズエさん!!」
作物学の院生「アッハッハ。パチパチパチパチ」
チズエ「…」
財前「…」
ゴクゴク… ゴクゴク… ゴクゴク… ゴクゴク… ゴクゴク…
作物学の幹事「ハイ。お見事でした~♪」
財前「ウッ…プ…。 さ…最後に一言言わせて下さい」
作物学の幹事「どうぞ!!」
財前「僕は無実です!!」
作物学の院生「アッハッハ。パチパチパチパチ」
作物学の幹事「此の期に及んで見苦しいですよ財前君。これは駄目です。粗忽です!! ハイ。もう一杯!! もう一杯♪ もう一杯♪」
作物学の院生「アッハッハ。パチパチパチパチ」
財前「えええ!?」
ゴクゴク…
作物学の幹事「ハイ。お見事~。じゃあ財前くん。あとはゆっくり楽しんで下さいね。でもここでストーキングは禁止です」
財前「りょ…了解しました…」
…
とまあ納会はこんな感じである。

だいたいその人のキャラによって飲まされる量が決まる。
ネタがない奴の場合は1杯で終わり。ネタになりそうで場が盛り上がりそうな奴の場合は飲んだ後に「遅い」だの「もっと見てみたい」だの「粗相」だの理由をつけて引っ張る。
私の場合はストーカーというネタだけで、だいたいコップに平均10杯は飲まされるから大変なのだ。
まあどこの研究室へ行ってもこういう風にネタに使われるわけだけど、
チズエさん本人がいるとネタもちょっと…控え気味にせざるを得ない。
それに本人の気持ちも考えると…
ってまあストーカーなんてやってないから向こうが悪いんだけどね。
ノリやカネダからは「おまえあんなネタに使われてよく耐えられるなww」とはよく言われたりするが、ああいう雰囲気は個人的に嫌いじゃないから平気だ。
だがもちろん亜美さんの研究室に行った時にあんなことは一切しない。
…私はその後作物学研究室でチズエさん以外の男とコミュニケーションを楽しんだ後、
自らの研究室に帰った。もう20時を回っていたが…… カネダとホッケー女がいた。
カネダ「お? おつかれさ~ん」
ホッケー「おつかれ~」

財前「おまえらまだいたのか。遅いねぇ」
カネダ「今日は色々研究が忙しくてな~」
ホッケー「うんうん」
財前「そうか。ちょっと飲み過ぎた。もう今日は帰るわ…」
カネダ「どうした。元気ないな」
財前「そんなことないよ。まあ作物研に行くのは精神的にキツイものがあるけどw」
カネダ「おまえもストーカーで色々ネタにされて大変だなw」
ホッケー「へ~。財前って納会の時に色々ネタにされてるんだ。」
財前「…」
実は他の研究室の納会に行くのは基本的に幹事と副幹事だけなので、ホッケーは納会の詳しい事情をあまり知らない。
財前「ああ。そうだ。ホッケー。一応言っておくけど俺はチズエさんをストーカーなんてしてないからな」
ホッケー「…」
財前「ネタにされるのは全然構わないが、そこだけは本人にハッキリ伝えておいてくれよ」
ホッケー「そういうことは逆にチズエちゃんに言わない方がいいと思うよ。今更だし。むしかえすし」
財前「でも本人にだけは誤解を解いておきたいってのはある;;」
ホッケー「でもさあ。財前じゃなかったんだったら、チズエちゃんが勘違いしたストーカーは誰なのかな」
財前「知らねえよw そいつのおかげで俺はとんだ迷惑だ」
ホッケー「う~ん…」
財前「そもそもそいつ自身がストーカーだったかどうかも怪しい。後ろを歩いてただけの一般人じゃないの?」
ホッケー「さあ…」
財前「まあ今となってはどうでもいいけどさ」
ホッケー「でも惜しかったんだよ~財前」
財前「惜しかった?何がだよ」
ホッケー「チズエちゃんとうまくいったかもしれないのに(・ε・`*)」
財前「え!? どういうこと?」
ホッケー「チズエちゃんの誕生会に来たことあったでしょ」 参照「ストーカー財前」
財前「ん?ああ…。あれか。あれが何か?」
ホッケー「あれってチズエちゃんの希望だったんだよ。アンタを呼んだのは」
財前「…」
財前「何!?」
財前「ど…どういうこと?」
ホッケー「あの時香奈ちゃんの彼氏は呼ぶことになってるんだけど、それだと男の子が1人になっちゃうから」

ホッケー「他に誰か男の子を呼ぼうって話になって。それでチズエちゃんが財前を呼びたいって言ったんだよね」
財前「…」
ホッケー「だから変なことしなければうまくいったんだよ?二人は」
財前「そ…そうだったのか。チズエさんが俺を呼んでくれてたんだ」
ホッケー「その後も財前と電話で話して色々進行したりしてチズエちゃんもご機嫌だったんだけど…」
財前「…」
ホッケー「財前がプレゼントを贈った当りからチズエの挙動が怪しくなって、同時にストーカーも現れて」
財前「…」
ホッケー「チズエちゃんの住所を財前に教えたのは私だけど、大学内では他の誰にも言ってなかったし… だったらストーカーは住所を教えた財前しかいないなって」
財前「もういい…」
ホッケー「だからプレゼント贈るって理由で私が財前に住所を教え無ければアレだったかも…」
…
ホッケー「え?」
財前「いや。もういい。」
ホッケー「え?どうしたの?」
財前「もういいよ…。 もう帰る」
ホッケー「…」
嘘のような話だがこれは本当の話だ。
この時の私の衝撃。恐らく誰にも理解されないだろう。
正直言うと大学回想を書くきっかけはこの出来事を書きたいがためでもあった。
まさに嘘のような現実。
夢にも思わなかったし、私の周りの友達もこんな真実があったとは誰も予想だにしなかったろう。

絶対に手が届かない対象だと思っていたチズエさん。
まさかあの時… あの時
あの誕生会。
まさか彼女自らが私を呼んでいてくれていたなんて。

恐らく。こういう事もあるんだろう。世の中の裏ではこういう表に出ない情報というのもあるのだ。実際今回もホッケーがこの事を打ち明けてくれなかったら…
私は一生この事実を知らないまま
生きていっていたに違いない。
そうか。こういうこともあるのか。
こういうことも起こり得るのか。
帰りの電車で色々考えた。
もしあの時、あの段階で…プレゼントをチズエさんに贈ったりしなかったら…
もしかしたらチズエさんとつきあえていたかもしれない。
しかし。
大学1年でそんなに恋愛がうまく行ってたとしたら…私はチズエさんが彼女というだけで満足し、チズエさん中心の生活を送っていたであろう。恋愛がすべての男になっていただろう。
ある意味。
あの時。
ストーカーと間違えられてから私の大学生活は始まった。本当に逆境からのスタートだった。チズエさんとの愛の巣になる予定だった私の下宿。(大学から数分の好位置)
チズエさんのストーカー以降も女性に振られ続けたことで…
私は比重を男性友達にシフト。
するといつしか下宿は男友達の溜まり場になり…ノリ、タカシ、ワコウ、つっちー、八百
そして…
リョウさん

彼との出会いはストーカー事件なくしてあり得なかった。順風満帆に大学人生を送っていたら…リョウさんに会っても何も貫禄は受けなかっただろう。第三者からみれば彼はただのフリーターなのだ。
わたしもそう思って彼を相手にしなかったに違いない。
しかし
あの経験があったから
私はリョウさんの凄さをわたしは理解することができたのだ。これは何よりも大きいことだ。
あの事件があったからこそ
社会人になっても交流が続くような
数え切れない男友達を得ることができたのだ。

これはこれで良かったのだと思う。あそこでチズエさんとつきあっていたら男として人生を舐め、果てには堕落していたに違いない。
そりゃあそうである。東京に勇んで出てきていたのだ。
いきなり東京の女を落として自分のものにしていたら… あの頃は18歳の自分だ。
天狗になっていたに違いないのだ。
あそこで鼻をへし折ってくれたから今の私がある。(恐らく大学回想も書いてない)
これで…これで良かったのだ。
ゆえに…
さっきの研究室でのホッケーの話などはあれ以降は聞いてもしょうがなかった。あとの話。そんなことはどうでもいいことだった。
あの日の誕生日の真実。
それが聞けただけで私はもう充分だったのだ。
それを聞いた瞬間
もはや…。一体ストーカーは誰だったのか?とか、ストーカーと間違えられて運が悪かった…とか
そんなものは超越した。
むしろ運が良かったのだ。
今回…この出来事をうまく文章で纏められたかどうかはわからない。
しかしどうしても書きたいことだった。
こんな経験は滅多にできることではないし、何しろ本当の事を知るのに3年もの月日を要している。でも何か…これを書くことで、読んでくれた人の何かのお役に立てるような気がした。
こういうこともあるんだよと。ただ…まあそれだけの話だが。
人生というものはこれほどまでに色々な要素が絡まり合って各々の人間の道に影響を与えているのである。
それに気づかせてくれたのが
今まで苦しめられ続けた「ストーカー疑惑」とは
なんとも皮肉なものですよね(笑)
大学回想はこれで終わりではないですが、次の話はまた気が乗った時に書きます
今日の選曲 ガンジス 長渕剛
http://www.youtube.com/watch?v=8UbZuX78-Qw&feature=related
歌詞が当時の私の状況と照らし合わせるとグッと来て… よく聞いていました。
歌詞
使用している写真は素材を使用したものであり、本人のものではありません
CoCo* ---web用写真素材&HTML テンプレート---
- 関連記事